短期トレードの鉄則、外国人投資家に黙ってついていく

 圧倒的な力を持っている外国人投資家に逆らっても、短期的には何も良いことはありません。短期トレードは黙って、外国人についていくのが鉄則です。私はファンドマネージャー時代、外国人にぴったりついていくトレード戦略を、「コバンザメ戦略」と呼んでいました。

 情けなく聞こえるかもしれませんが、それが、短期で勝つもっとも有効な戦略でした。

長期投資では外国人と同じ売買をしても勝てない:2020年の例

 外国人によって、もっと大きく日経平均が動いたのが、2020年です。2020年の日経平均は、外国人売りで暴落した後、外国人の買いで急上昇しました。

日経平均と外国人の売買動向(買越または売越額、株式現物と日経平均先物の合計):2020年1月6日~2020年12月31日

出所:東証データより楽天証券経済研究所が作成

 2020年の動きを見ていて思うのですが、外国人はあまり日本株をうまくトレーディングしていません。2020年はコロナショック後の最安値で巨額の売りを出し、年後半の急騰局面で巨額の買いを出しているからです。安く売って、高く買っているので、2020年の外国人は日本株のトレーディングで大失敗しています。

 このように、短期では外国人についていくのが鉄則ですが、長期投資では外国人とは違うことをやった方が良いこともよくあります。

 引き続き、外国人の日本株売買動向をウオッチしていくことが大切です。外国人の動きで気付いたことがあれば、本コラムで報告します。

▼著者おすすめのバックナンバー

2023年10月23日:米金利上昇ショックで世界株安、日本株は長期投資で「買い場」と判断(窪田真之)
2023年10月18日:インフレ・サプライズに備える投資戦略。日本も高インフレ国へ