米景気が減速しても、米雇用は強い

 6月の米雇用統計は、以下の通り、強い内容でした。

【1】20万人以上の雇用増加が続いている

 6月の非農業部門雇用者数は、前月比で20万9,000人増加しました。20万人を超える雇用増が続いていると、米景気は好調と判断されます。民間部門の雇用の伸びは鈍化しましたが、政府部門での雇用回復が続いています。

米雇用統計・非農業部門雇用者増加数(前月比):2021年1月~2023年6月

出所:米労働省

【2】失業率は0.1ポイント低下の3.6%

 6月の完全失業率は3.6%で、5月の3.7%から0.1ポイント低下しました。実質完全雇用が続いています。コロナ前の3.5%とほぼ同水準です。

米雇用統計・完全失業率:2014年1月~2023年6月

出所:米労働省

 景気指標が強いのは、通常ならば、株にとって好材料となるところです。ただし、現在の米国株では事情が異なります。FRBが景気を犠牲にしてもインフレを抑える姿勢を鮮明にしていることから、さらなる利上げが続く不安が再燃し、米国株の上値を抑えました。