米国は景況低下

 日本の景況が好調なのに反して、米国は景況が悪化しています。

<米ISM景況指数の推移:2018年1月~2023年6月(非製造業は5月まで)>

出所:ブルームバーグ

 米国は、深刻なインフレと金融引き締めが響いて、製造業・非製造業とも景況低下が続いています。リオープン効果の出るタイミングの差もあります。米国は2021年にリオープンによる消費爆発があり、消費が過熱して深刻なインフレが起こり、今はその反動で消費減速中です。日本は、リオープンが遅れ、長らく低迷していた消費が今、やっと盛り上がりつつあるところです。

米国不振でも、日本の景況が好調な理由

「米国がくしゃみをすると、日本は風邪をひく」と言われたこともあるくらい、日本の景気は米国の影響を色濃く受けてきました。今年、米国が不振なのに日本が好調というのは、極めて珍しいことです。日本独自の好調要因が重なっているからです。

 以下四つの要因が日本好調の背景にあります。

【1】リオープン

 日本は、欧米に遅れて今、やっとリオープンによる消費回復が起こり始めています。

【2】インフレ復活→名目GDPの伸び加速

 日本のコアコア・インフレ率が4%台まで上昇しています。インフレが復活、国内で値上げが通り始めています。名目GDP(国内総生産)の伸びが加速し、企業業績・株価を押し上げる効果が期待されます。

【3】資源高一服

 原油先物は、ウクライナ危機前の水準に低下しています。エネルギー価格の上昇が一服した効果が、日本の景気・企業業績にプラス要因となっています。

【4】円安効果で設備投資が活性化

 世界の半導体大手が一斉に日本で工場を作ることを表明しています。円安効果もあり、国内で設備投資が盛り上がってくる見込みです。

これから発表、2023年4-6月期決算に期待

 6月の日銀短観DIが良好であったことから、これから発表が始まる2023年4-6月期決算も良好と考えられます。

 6月の日銀短観の大企業DIは、これから発表が始まる4-6月期決算の先行指標として注目しています。製造業・非製造業DIとも改善しました。4-6月期決算もおおむねその通りとなるでしょう。 大企業の経営陣が、6月時点の現状と先行きの景況感を回答したのが、大企業DIで、4-6月期の企業業績を先取りする傾向があります。

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