波乱も想定内、米国動向に要警戒

 そして、同時に気を付けておきたいのが米国です。

 米国では来週の1月31日~2月1日にかけてFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、金融政策の意識が高まりやすい中、10-12月期のGDP(国内総生産)速報値や12月の個人消費支出などの経済指標の発表が予定されています。景況感とインフレ、金融政策の思惑が絡み合い、素直な値動きにならない展開もあり得ます。

 また、テクニカル分析的にも警戒感がくすぶっています。

(図4)日経平均(週足)の動き(2023年1月20日取引終了時点)

出所:楽天証券WEBサイトを元に筆者作成

 上の図4は週足の日経平均チャートに、二つのギャン・アングルを重ねて表示させたものです。

 一つ目は、コロナ・ショック時の安値である2020年3月19日週と2021年2月19日週までの上昇を起点とする上向きのギャン・アングル(ピンク色)、そして、二つ目は2021年9月17日週の高値と2022年3月11日週の安値を起点とする下向きのギャン・アングル(水色)です。

 足元の株価は水色のギャン・アングルの「4×1」ラインの攻防となっており、上方の「8×1」ラインに向かうのか、それとも下方の「3×1」ラインに向かうのかの分岐点に差し掛かっています。

 これまでは、ピンク色のギャン・アングルのラインがサポートとなっていたのですが、現在は「4×1」ラインを下抜けており、次のサポートとなる「8×1」ラインまではかなりの距離があります。

 基本的に足元の相場は上方向への意識は強いのですが、テクニカル的には中長期のトレンドや水準感のサポートが働きにくい状況のため、相場が崩れてしまったときには注意が必要になります。