連続増益が続いている銘柄は相対的に権利取りに安心感

 今回は多くの銘柄が、原材料費や物流費上昇の悪影響を考慮して、慎重なガイダンスを行う可能性があります。これにより、配当権利落ち後は株価調整が長引く銘柄も多くなりそうです。

 これまで以上に配当権利取りの動きに慎重な姿勢が強まるとみられる中、今回は、比較的権利落ち分を早期に埋めることができそうな高配当利回り銘柄を探っていきたいと思います。

 今回取り上げた銘柄は、配当利回りが3%以上で、かつ、5期以上(今期予想含めて)連続経常増益を続けている銘柄になります。安定した収益成長銘柄は、外部環境の悪化に対応できる耐性が強い銘柄であり、ディフェンシブ的な側面が強いともいえます。現状の相場環境にマッチしていると考えられるでしょう。

 また、最近では配当性向を配当金の基準とする銘柄が増加してきており、収益の安定成長は安定的な増配にもつながっていきます。長期投資の対象と捉える向きも多いと考えられ、権利落ち後の売り圧力も相対的に軽微となる可能性もあります。配当権利取りに対しては安心感が持てる銘柄群であると判断します。

連続経常増益が継続する高配当利回り銘柄

コード 銘柄名 配当利回り 株価 時価総額 株価騰落率 連続経常増益
期間
9104 商船三井 9.40 11,170.0 13,474 30.8 5
8096 兼松エレクトロニクス 3.85 3,770.0 1,080 ▲5.04 12
8424 芙蓉総合リース 3.84 6,770.0 2,051 ▲15.06 8
8425 みずほリース 3.80 2,894.0 1,418 ▲9.28 6
1721 コムシスHD 3.49 2,722.0 3,838 6.3 6
9069 センコーグループHD 3.44 930.0 1,422 0.3 13
9436 沖縄セルラー電話 3.37 4,865.0 1,308 ▲4.79 10
注:配当利回り、株価騰落率の単位は%、時価総額の単位は億円。
株価は2022年3月11日終値、単位は円。
注:株価騰落率は年初来
注:連続経常増益期間は今期予想を含む

銘柄選定の要件

  1. 予想配当利回りが3%以上(3月11日終値)
  2. 3月期本決算企業
  3. 時価総額が1,000億円以上
  4. 5期以上連続での経常増益銘柄(今期予想含む)