直近の日経平均の値動き幅を考察

 続いて、目先の日経平均の値動きの幅についても考えてみたいと思います。

■(図3)日経平均75日移動平均線乖離(かいり)率のボリンジャーバンド(2022年3月4日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡデータを元に筆者作成

 上の図3は、以前のレポートでも何度か紹介したことのある、日経平均と75日移動平均線との乖離率の推移をボリンジャーバンド化したものです。

 先週末(3月4日)時点の75日移動平均線の値は2万8,028円でした。同日の日経平均終値が2万5,985円でしたので、乖離率はマイナス7.86%ということになります。

 図3のピンク色の線がその乖離率の推移を表しているのですが、足元は、ボリンジャーバンド全体の傾きが右肩下がりとなる中で、マイナス1σ(シグマ)とマイナス2σのあいだを往来しながら下落トレンドとなっていることが分かります。図3を過去にさかのぼると、2021年の2月から6月にかけて似たような形で下落トレンドとなっていました。

 そのため、株価が下落するのであればボリンジャーバンドのマイナス2σあたり、上昇していくのであれば、マイナス1σや中心線(MA)あたりが目安として意識されることが考えられ、先週末時点の75日移動平均線の値で計算すると、2万5,500~2万7,250円が想定レンジとなります。

 また、図3全体で乖離率の動きを眺めてみると、2022年になって、これまでサポートして機能していたマイナス5%を下抜け、足元ではサポートからレジスタンスとなっているようにもみえます。

 1月27日にはマイナス10%に迫るマイナス9.60%をつける場面もあったため、これらも考慮する必要がありそうです。先週末時点のマイナス5%は2万6,626円、マイナス10%は2万5,225円です。

 もちろん、日々の株価の動きでこれらの値は変化していきますが、大体の目安として参考になると思います。