日本企業の業績回復を見直す流れは遅れてやってくると予想

 10-12月決算の発表が終わり、想定通りの好決算だったのに日本株が下落しているため、日本株はPERから見て割安となってきています。東証株価指数の予想PERは15日時点で14.5倍まで低下しており、今後業績が急激に悪化していくことがなければ、いずれ好業績を見直す買いが入ると予想しています。その時をじっくり待ちたいと思います。

 以下、参考までに、東証一部3月決算主要841社の業績推移をご覧ください。

東証一部上場3月期決算、主要841社の連結純利益(前期比)

出所:各社決算資料等から集計。期初予想は5月時点の発表。実績は最終着地。2022年3月期純利益の会社予想を公表していないソフトバンクGについては楽天証券予想5,000億円を使用、ソフトバンクGを除く840社で計算すると、2022年3月期純利益は62.2%の増益予想となる。楽天証券経済研究所が作成

 3月期決算主要841社の2018年3月期実績から2022年3月期(会社予想)までが掲載されています。各年度の期初会社予想と、実績(最終着地)を比較してご覧ください。期初→実績が増額修正となっている年度は日経平均が上昇、期初→実績が減額修正となっている年度は日経平均が下落する傾向が強いことが分かります。

 今期(2022年3月期)は、期初(2021年5月時点)会社予想が19.1%の増益でしたが、10-12月期決算の発表まで終わった2月15日時点では、34.3%増益に増額修正されています。ところが、日経平均は前年度末(2021年3月末)対比で7.9%下落しています。今後、利益予想の減額修正が急速に増えない限り、日本株はいずれ業績を見直した買いが入ると予想しています。

 現時点でのメインシナリオでは、年後半、業績相場に転換して日経平均は再度、上値を試すと予想しています。

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