源泉徴収ありの特定口座+株式数比例配分方式が有利に働く

 繰り越した過去の譲渡損失と、配当所得とを損益通算するときも、確定申告が必要となりますので、同様のシミュレーションで有利不利の判定が必要です。

 また、同じ年(今回の確定申告であれば2019年)での株式の譲渡損失と配当所得がある場合も、これらを損益通算して源泉徴収された税額の還付を受けるためには確定申告が必要です。このときも少額所得がある場合は確定申告した方がよいのかどうかシミュレーションをしましょう。

 なお、特定口座かつ配当金の受け取り方法を株式数比例配分方式としている場合、同じ年での株式投資の譲渡損失と配当所得があるときは、確定申告しなくても両者を特定口座内で損益通算してくれます。配当金の受け取り方法がどうなっているか、ご自身で確認してみてください。

住民税には確定申告不要の制度はないので注意

 20万円以内であれば確定申告不要というこの制度、実は所得税だけに設けられていることはご存知ですか?

 住民税には、確定申告不要の制度はありません。そのため、給与所得・退職所得以外の所得が20万円以内であり、かつ所得税の確定申告をしないとしても、別途住民税の確定申告は必要、ということになっています。

 一見ややこしいようにも思える20万円以下の少額所得の確定申告不要制度。年末調整をした会社員など適用される人が限られていること、そして確定申告をした場合は適用がないことはぜひ押さえておいてください。

追記

 国税庁より発表があり、新型コロナウイルス感染症の影響により申告期限までの申告等が困難な方は、令和4年4月15日までの間、簡易な方法で申告・納付期限の延長ができることとされました。
 詳しくは下記の国税庁ウエブサイトをご覧ください。※PDFが開きます。