2万8,000円が節目として強く意識される
■(図2)日経平均移動平均線乖離率のボリンジャーバンド(75日)(2022年2月10日時点)
上の図2は日経平均の75日移動平均線乖離(かいり)率の推移をボリンジャーバンド化したものです。
当初は昨年の2月下旬から6月にかけてのような、▲1σ(シグマ)と2σの範囲を上下するような展開が想定されていましたが、先週末時点の乖離率は▲4.17%と、▲1σを上抜けてきました。
これにより、中心線(MA)まで伸ばすシナリオも想定しておいた方が良いかもしれません。ちなみに、先週末10日(木)の75日移動平均(2万8,497円)で計算すると、MAは2万8,147円となります。
■(図3)日経平均(日足)の動き (2022年2月10日取引終了時点)
また、上の図3で現在の株価位置を見てみると、下向きのチャネルラインを上抜けて、2万7,000~2万8,000円の下値ゾーンからの脱出を試みようとしているような印象となっています。
この下値ゾーンは昨年の株価が下げ止まった価格帯であるため、2万8,000円超えが株価の上昇に弾みをつけるスイッチとなるかもしれません。
先ほども紹介した図2の75日移動平均線乖離率のMAの株価水準も2万8,000円をちょっと超えたところにあります。日経平均2万8,000円は節目として強く意識されると思われます。
また、先週は国内企業の決算を手掛かりとする動きが目立ちました。好業績を発表した銘柄が物色されているほか、8日(火)に発表したソフトバンクグループの決算はネガティブな要素が多いものとなりましたが、翌9日(水)の取引では、材料の出尽くしからか5%を超える上昇という初期反応を見せました。
翌10日は反落してしまいましたが、取引開始時は続伸していたこともあり、決算の通過で下値を拾う動きも出ているため、こうした流れは今週も引き継がれそうです。
今週の決算については、米国では半導体関連のエヌビディアや大手小売りのウォルマートをはじめ、百度(バイドゥ)などの米国市場に上場する中国企業の決算が予定され、国内でも約640銘柄の発表が控えていますが、時価総額1,000億円以上の国内企業の決算は週初の14日(月)に集中しているため、決算にらみの物色の消費期限は短くなりそうです。