株価が下がったらどう感じるか?

 実は筆者はこのような状況に陥ることはありません。根本的に買い時のとらえ方が異なるからです。

 多くの個人投資家の方は「株価が下がった→割安になったから買おう」と思っているからこそ、今回のような失敗をしてしまうわけです。

 筆者は「株価が下がった→大口の投資家が売っているから上げに転じるまで手を出すのはやめよう」と考えます。

 株価というのは、もちろん業績に連動して動くわけですが、究極的には買いたい投資家と売りたい投資家の力関係で決まります。

 ですから、株価が下がっているということは、確かに割安かもしれないですが、売りたい投資家がたくさんいる状態だから、それが収まって上げに転じるまでは、安易に手を出すべきではない、と筆者は考えています。

 その結果、今回のように株価が大きく下げるときには、その株を持たずにいるので大きな損失を回避することができるのです。

大きな失敗を避けたいなら「逆張り」より「順張り」

 このように、筆者は株価が下がっている間は安易にその株を買うことはしません。逆に株価が上がっている間は株を持ち続けます。この考え方を「順張り」といいます。

 一方、多くの個人投資家が行っている、株価が下がったら買い、さらに下がってもそのまま持ち続けるのは「逆張り」です。

 実は逆張りは、長期的な上昇相場では有効な戦術です。上昇相場では、株価が下がったときに買い向かえば、その後再度株価が上昇に転じるので、結果的に安く買うことができるからです。

 ところがこれが長期的な下落相場になると一気に形勢が変わります。株価が下がって割安になったと思って買い向かったらさらに下がる。そこで損切りせずナンピン買いをすると、さらに下がる…というように、あり地獄のような下落スパイラルにはまってしまうのです。

 米国もいよいよ利上げがスタートし、米国も日本も長期間続く上昇相場が終焉(しゅうえん)し、本格的な下落相場になる可能性もあります。

 今年に入り株価はかなり下がったように感じますが、日経平均株価はまだ高値から1割しか下げていません。2020年のコロナ・ショックでは短期間で30%下がりましたし、バブル崩壊後の30年間で日経平均株価が60%以上下がったことが3回あります。

 もし今回の下落で大きな失敗をし、二度と同じような目に遭いたくないと思っているならば、株価が下落している間は手を出さず、持ち株も下落に転じたら早めに売っておくという順張りの考え方をぜひ参考にしてくださいね。

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