割安な高配当利回り株「買い場」の見方は変わらず

 さまざまな不安材料がありますが、それでもメインシナリオでは、来年も世界景気の巡航速度での拡大を予想しています。したがって、割安な高配当利回りは引き続き「買い場」と判断しています。

 ただし、来年は、不安が顕在化する時に株式市場が短期的に急落するリスクは高まっています。短期的な急落・急騰リスクに注意しつつ、時間分散しながら割安な高配当利回り株を買っていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えています。

ファンダメンタルズ分析だけでは限界、テクニカル分析も重要

 景気・企業業績の予想に基づいて売買するだけでは、大きな落とし穴にはまることがあります。誰も経験したことがない変化が起こってマーケットが大きく動く時、その理由を考える前に、まずチャートを見て動かないと間に合わないことがあるからです。

 私はファンドマネジャー時代、テクニカル分析を非常に重視していました。毎週、週末に東証一部上場全銘柄の週足をチェックして、チャートに何か強いシグナルが出ていないか見ていました。私がファンドマネジャーとして長く好成績をあげられたのは、ファンダメンタルズ分析に頼り切らず、テクニカルを重視してきたからと思っています。チャートを見ることをけっして軽視すべきでないと思います。

 テクニカル分析について、著書を出版しました。12月14日、ダイヤモンド社から発売された以下の書籍です。

「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ」

 私が25年の日本株ファンドマネジャー時代に得たテクニカル分析のノウハウを初心者にもわかりやすく解説しています。クイズ60問を解いて、トレーニングする形式です。株価チャートの見方がわからなくて困っている個人投資家にぜひお読みいただきたい内容です。

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