日銀の買いが消え、下げる時下げやすいマーケットに

 昨年は、日経平均が急落すると、すかさず日銀の日本株ETF(上場投資信託)買いが出ていました。それが、下がるべき時に下げにくくなる歪みを生じていました。今年は、その買いが出なくなっています。

 日銀は、今年3月19日の金融政策決定会合で、年6兆円をメドとする日本株ETFの買い目標を撤廃しました。それ以降、ETFの買いはほとんど出ていません。4・6・9・10月にそれぞれ1回、701億円の買いを入れただけです。11・12月は買っていません。

日本銀行による日本株ETFの月間買入額:2015年1月~2021年12月(20日まで)

出所:日本銀行の発表データより作成

 3月19日に日銀は、以下の通り、ETF買い付け方針の変更を発表しています。

【1】「日本株ETFを年間6兆円買い入れする原則」を削除
【2】必要に応じて「年間上限12兆円まで日本株ETFを買い入れる」方針は残す
【3】日経平均連動型のETF買い付けはやめる。買う場合は、TOPIX連動型ETFにする。


 日銀の発表は、「日経平均が高い水準の時は買わず、急落した時だけ買う」ことを明確にしたものと解釈されます。最近も急落していますが、現在の水準ではあまり買ってくる動きが見られません。