注目の中国株4:ネットイース(09999)

 中国国内ではテンセントに次ぎ規模の大きなゲーム会社です。2021年1-9月期業績は17%増収、1%増益、7-9月期は19%増収、6%増益でした。

 7-9月期について部門別の状況をみると、全体の売上の72%を占めるオンラインゲームが15%増と堅調です。当局の規制強化が進む中でグローバルに展開していることが有利に働きました。また、国内でも“ハリー・ポッター:魔法の覚醒”や、新作が好調でした。

 売上高の6%を占める教育サービスは教育事業の規制強化とは無関係で、小中学生向けのSTEM(科学・技術・工学・数学)教材や成人教育、AIハードウエア業務が伸びたことで、55%増となりました。クラウドによる音楽配信など売上の22%を占めるその他部門も26%増と好調でした。

 メタバースにおいてコンテンツは必要不可欠です。その点でオンラインゲームの世界的大手である同社はテンセントと共にメタバース市場の中核に位置する企業だと考えます。

注目の中国株5:小米集団(01810)

 ゲーム大手のキングソフト(03888)のCEOを現在も兼任する雷軍(小米CEO)氏が2010年4月に創業したスマホメーカーです。2021年4-6月期のグローバル市場におけるスマホの販売シェアは16.7%で世界第2位と大手スマホメーカーですが、本土スマートテレビ市場における小米の出荷台数は10四半期連続でトップ、グローバル市場でも世界第5位です。

 テレビのほかにも、空調、ノートパソコン、ルーター、タブレット、ロボット掃除機、電動スケートボードなどで、小米ブランドは高いシェアを獲得しており、同社は家電分野でも今や大手企業です。スマホや生活消費製品を結びつけているプラットフォームを提供するなどインターネットサービス事業も行っています。

 部門別売上高(2021年6月中間期)をみると、スマホが67%、IoT生活消費製品が24%、インターネットサービスが8%、その他が1%、本土以外での売上比率は49%です。

 2021年6月中間期は60%増収、141%増益となりました。華為技術のシェアダウンを埋める形でスマホ販売台数が前年同期比で4,480万台増えて1億230万台と急増しています。また、小米ブランドの浸透から生活消費製品の売上が38%増と好調でした。

 雷軍CEOは電気自動車にも投資するなど、積極経営が目立ちます。メタバースの主力ツールとなるAR/VR機器でも小米ブランドの販売力が強みになるとみています。製造部門を持たず、そのブランド力で勝負する事業スタイルは雷軍CEOが敬愛する亡きスティーブ・ジョブズのスタイルを進化させたものだといった見方もできます。