今後の日経平均の目安を探る
なお、今後しばらくの日経平均の株価の目安としては、最近のレポートで紹介した、75日移動平均線乖離(かいり)率のボリンジャーバンドで見ていきます。
■(図4)日経平均の移動平均線乖離率ボリンジャーバンド(2021年6月18日取引終了時点)
足元の75日移動平均線乖離率は中心線(MA)まで上昇した後に再び下回るところに位置しています。今年の2月以降、75日移動平均線乖離率は▲1σ(シグマ)と▲2σを往来しながら水準を切り下げてきましたが、このレンジから脱したことになります。
先週末18日(金)時点で計算すると、75日移動平均線は2万9,096円ですので、MAで2万9,343円、+1σで3万213円、+2σで3万1,082円となります。反対に、下落に転じた場合は▲1σで2万8,476円、▲2σで2万7,606円へ向かうことになります。
もちろん、これまでのレポートでも指摘してきたように、移動平均線乖離率やボリンジャーバンドの値は今後の値動きで変化するため、あくまでも現時点でのざっくりとした目安になります。
最後に補足となりますが、前回のレポートでは、日経平均やTOPIXが方向感に乏しい展開となった場合、マザーズが注目されるかもしれないと触れました。
その理由のひとつが、月末にかけてIPO(新規公開株)ラッシュがあることです。今週のIPOは12銘柄が予定されていますが、うち、マザーズ銘柄は9銘柄となっています。
■(図5)マザーズ先物指数(日足)のギャン・アングルとMACD(2021年6月18日取引終了時点)
ただ、マザーズ先物の値動きをみていくと、ギャン・アングルの3×1ラインで上値が抑えられてしまい、再び25日移動平均線を下回っているほか、下段のMACDとシグナルのクロスも実現しそうな状況にあり、チャートの形状があまり良くありません。
25日移動平均線を下放れ、2×1ラインに向かうような動きになった場合には注意が必要ですので、足元では指数全体よりも個別でマザーズ銘柄をウオッチした方が良いかもしれません。
今週の日本株市場は、気迷いムードが強く、意外高もありそうですが、株価が上に行くのか下に行くのかの判断が困難な状況の中で、方向感を探る展開が基本シナリオとなりそうです。