12月雇用統計の予想

 1月8日に発表される最新の雇用統計は、市場予想によると、失業率は6.8%に1ポイント上昇。非農業部門雇用者数は5.0万人増加にとどまる見込み。増加数は6カ月連続の縮小で、勢いはありません。雇用者が前月比マイナスになる可能性もいわれています。平均労働賃金は前月比0.2%増、前年比4.5%増の予想。

 雇用統計のなかで、平均労働賃金も注目したいパーツです。なぜかというと、2021年におけるマーケットの大テーマである「世界的景気回復」のなかで「インフレ上昇」も副作用的なテーマとして出番を待っているからです。労働賃金の上昇は消費意欲を高め、物価上昇につながります。FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレが多少上昇したところで利上げしないと約束していますが、焦って利下げする必要もありません。労働賃金の上昇は、FRBマイナス金利の可能性をさらに遠ざけます。一部のFOMCメンバーからは「緩和縮小」を検討すべきとの意見も出始めています。