ボリンジャーバンドは「バンドウォーク」継続中

 また、ボリンジャーバンドにおいても、株価が+2σ(シグマ)と+1σの範囲内で推移する、「バンドウォーク」が継続中です(下の図4)。

■(図4)日経平均(日足)のボリンジャーバンド (2020年12月4日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週末の4日(金)時点の日経平均は+1σのライン近くに位置しています。11月の半ばにも同様の場面がありましたが、当時は+1σラインを下抜けることはありませんでした。今回も同じように+1σで反発できるかが週初の注目ポイントになります。

 11月時の値動きは、「一気に上昇して2万6,000円台にタッチし、達成感で利益確定売りが出たものの、すかさず買いが入って本格的に2万6,000円台を上抜けしていった」格好で、株価が鋭角的な軌道を描いていきましたが、今回は「2万7,000円台を試しそうではあるものの、タッチすることができず、やや丸みを帯びた軌道で上値が抑えられた」格好であるため、2万7,000円台乗せのためには、上昇に勢いをもたらすきっかけ、もしくは口実が必要になりそうです。

 これまでの日本株上昇の主な原動力として、(1)「ワクチン開発による経済正常化期待」をはじめ、(2)「追加金融緩和への期待」から、(3)「売り方の買い戻し」、そして(4)「日本株への再評価」などが挙げられます。

(1)については、米ファイザー社開発のワクチンが米国で緊急使用の認可が今週中に下りる予定であるほか、英国では接種が開始されつつあるなど、現実の動きになっています。(2)については、10日のECB(欧州中央銀行)理事会と来週のFOMC(米連邦公開市場委員会/15日~16日)で結論が出ますし、(3)については冒頭でも触れた通りメジャーSQが予定されており、(4)を除く要因は今週と来週でヤマ場を迎えることになります。

 足元のコロナ感染拡大が気になるところですが、先週末のNYダウは3万ドル台を超え、過去最高値を更新しています。同日発表された米11月雇用統計の結果は市場予想を下回ったものの、これがかえって追加の金融緩和や経済対策への期待を高めたことが背景にあります。つまり、ワクチン接種普及によるコロナ克服期待と、足元の状況悪化による政策期待の「いいとこ取り」の面があると言えます。こうした見方に変化が生じない限りは、日本株も米国株にけん引される形で2万7,000円台トライの場面がありそうです。ちなみに4日(金)時点の+2σは2万7,786円です。

 もちろん、日経平均が+1σを下抜けてしまった場合には、上昇一服が強く意識されることになり、下方向への動きが強まることも想定されます。その場合、目先のメドとなるのはボリンジャーバンドの中心線になりますが、こちらは4日(金)時点で2万5,430円です。