上がる株を見つけ利益を伸ばすために

 ポイントは2点ありました。1点目は、二極化相場です。6月中旬以降、何でも上がる状況から、一部の強い銘柄だけに資金が集中して上昇を続けていて、それ以外の銘柄は値下がりするという状況に転じたことに気づく必要がありました。

 筆者が気づいた理由は、保有する「強くない銘柄」が次々と25日移動平均線を割り込んできたからです。一方、保有する「強い銘柄」は上昇を続けていたので、これは二極化相場に戻るな、と感じることができました。

 2点目は、伸びる銘柄を安易に売らないことです。強い銘柄に乗ることができても、少しの利益ですぐに下りてしまったら、運用成績を伸ばすことはできません。

 強い銘柄の中には、PER(株価収益率)が異様に高いものも数多くありました。それを「さすがに割高」と感じて少しの利益で売ってしまっては、その後の大きな上昇を取ることができなかったのです。

 筆者はこの点、いくら割高だろうがバブルだろうが、25日移動平均線を上回って上昇トレンドが続く限りは保有を続けていたので、利益を伸ばすことができました。

自分には手が合わないと思ったら無理しないことも重要

「高い運用成績が出せているのは、株式投資がうまいからだ」と思う方もいると思いますが、決してそんなことはありません。筆者が高い運用成績を出せている大きな理由は、「筆者の投資手法とマーケットの動きとがうまくはまった」からです。

 筆者と異なる投資手法をされている方の中には、全く手が合わない相場環境に感じた方も多かったのではないでしょうか。

 実はそういう「手が合わない」状態のとき、無理に投資手法を変えて相場環境に合わせようとすると、逆にうまくいかないことが多いです。やはり、慣れないことはするべきではありません。

 例えば、筆者にとって2018年は、かなり厳しい年でした。2018年1・2月ごろに、筆者が主力投資先としている成長株が軒並み天井をつけ、下げに転じてしまったからです。

 そのとき筆者は、成長株以外の例えば割安株に積極的にシフトしようとは思いませんでした。なぜなら、筆者が得意とするのは成長株であり、それ以外の株に手を出すとうまくいかないと強く感じていたからです。