ITバブル時のような「局地的バブル」の可能性

 この動きは、日本株だけではなく、米国株においても顕著です。ナスダック総合指数は1万ポイントを超え、史上最高値を更新しています。それをけん引するのが米国を代表するIT企業4社(Google(現アルファベット)・Apple・Facebook・Amazon)のいわゆる「GAFA」。特にアマゾン・ドット・コムはコロナ・ショック前の水準をはるかに上回る驚異的な上昇となっています。

 バブル相場にもいろいろありますが、大きく分けると「全体的バブル」「局地的バブル」の2つがあります。

「全体的バブル」とは、ほとんどすべての銘柄の株価が上昇するもので、まさに株さえ持っていれば恩恵を受けることができます。日本では2005年や2013年前半がそれに当てはまります。

 もう1つの「局地的バブル」とは、一部の銘柄のみが大きく上昇するものの、それ以外の銘柄は上昇せず、逆に下落してしまうというものです。典型例が2000年前後のITバブルです。

 最近の国内外の株価の動向をみていると、どうも現状はITバブルのような「局地的バブル」が生じているように感じます。

 現に、下降トレンドの弱い銘柄が多数を占める中、上で挙げた銘柄に加え、ITバブル時に大きく上昇した銘柄が、今も強く買われているという事実があるのです。例えば日本オラクル(4716)伊藤忠テクノソリューションズ(4739)などです。