上値重いNYダウ、NASDAQは強い動き
そして、最後に米株市場についても見ていきます。
■(図4)米NYダウ(日足)の動き(2020年7月10日取引終了時点)
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先週のNYダウ平均株価も200日移動平均線を上抜けきれない展開となりました。
なかなかアイランド・リバーサル形成時の「窓」埋めゾーンに入れず、上値が重たい展開が続いています。
その一方で強い動きを見せているのがNASDAQです。
■(図5)米NASDAQ(日足)の動き(2020年7月10日取引終了時点)
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先週のNASDAQは連日で史上最高値を更新しています。最近の米国では複数の州で新型コロナの新規感染者数や死者数が最多を更新するなど、経済の回復スピードの鈍化への警戒感が高まっています。こうした状況を反映してNYダウやS&P500は上昇の勢いが止まっているわけですが、NASDAQは対照的な印象です。25日移動平均線をサポートにしながら、順調に上昇トレンドを描いています。
それだけ、米大手IT企業を中心に一部の銘柄に資金が集まっていることの証左ですが、逆を言えばNASDAQが崩れると、多くの投資家が痛手を被ることを意味します。今週は米金融大手企業の決算が予定されていますが、これから米企業の決算発表が本格化していきます。弱気な見通しが相次ぎ、25日移動平均線を維持できなくなった場合には、下向きの意識が一気に強まることも考えられるため、米国株の基調変化には目配りする必要もありそうです。