3.「巣ごもり」関連の注目銘柄

カプコン

1.「モンスターハンター:ワールド」2020年1月初頭に累計1,500万本達成

 カプコンの2020年3月期会社予想は、売上高800億円(前年比20.0%減)、営業利益220億円(同21.3%増)ですが(2020年3月期3Q決算時の会社予想)、楽天証券では売上高800億円(前年比20.0%減)、営業利益226億円(同24.6%増)と予想します。

 2020年3月期3Qまでは、「モンスターハンター:ワールド」(2018年1月発売、PS4、Xbox One、PC)が2020年1月2日までに累計1,500万本を達成し、拡張コンテンツの「モンスターハンターワールド:アイスボーン」も2020年1月28日までに450万本(2020年1月発売のPC版を含む)を出荷しました。その結果、2020年3月期1-3Q累計業績では、13.6%減収、37.1%営業増益と順調な業績となりました(減収になったのは、「アイスボーン」の価格が安いため)。2020年3月期3Qでは、2019年3月期3Qに目立ったソフトがないこともあって、12.9%減収、50.9%営業増益と好業績を達成しました。

 また、会社側は2020年3月期3Q決算時に2020年3月期会社予想を、従来の売上高850億円、営業利益200億円から売上高800億円、営業利益220億円に上方修正しました。売上高の下方修正は「アイスボーン」の出荷が順調ではありますが会社計画よりも遅れていることを反映したものであり、営業利益の上乗せはパチスロ機の出荷増加が見込まれるためです。

 これに対して、楽天証券では、2020年3月期を売上高800億円(同20.0%減)、営業利益226億円(同24.6%増)と予想します。ゲームソフト(デジタルコンテンツ)では、「モンハン:ワールド」が堅調に売れていると思われるほか、(もともとの会社想定よりは遅いとはいえ)「アイスボーン」がパソコン版中心に伸びている模様です。また、世界的な「巣ごもり」の影響で、採算の良い過去作品のダウンロード販売が順調に売れていると思われます。

 一方で、アミューズメント施設は自粛の影響で業績が悪化している可能性がありますが、ゲームソフトのプラスの影響が2020年3月期については大きいと予想します。
 ちなみに、日本の家庭用ゲーム会社の中で特定のタイトルの販売本数が1500万本を超えた記録を持っているのは、任天堂、ソニー、セガ、カプコンの4社だけ、最近では任天堂とカプコンだけです。その意味でカプコンは日本の最優秀ゲームソフト会社の1社と言えます。

表2 カプコンの業績

株価 3,535円(2020/4/16)
発行済み株数 106,751千株
時価総額 377,365百万円(2020/4/16)
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成
注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。
注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの。

表3 カプコン:セグメント別損益

単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成

表4 デジタルコンテンツ売上高内訳

単位:億円
出所:会社資料より楽天証券作成

2.2021年3月期は業績堅調が予想される

 2021年3月期は、デジタルコンテンツは過去作品のダウンロード販売が引き続き伸びると予想されます。新作では「バイオハザード3」のリメイク版「バイオハザードRE:3」(2020年4月3日発売)が200万本を出荷しており、順調です。2019年1月発売の「バイオハザードRE:2」も650万本売れるなど、過去の優良作品のリメイク版が成功しているため、今後も1年に1回程度の頻度でリメイク版を発売する可能性があります。

 一方で、新型コロナウイルスの影響でアミューズメント施設は店舗の休業や営業時間の短縮が多くなっており、2021年3月期1-2Qは大幅な減収減益が予想されます。同様にアミューズメント機器(パチスロ機)も自粛の影響が予想されます。そのため、楽天証券では2021年3月期を売上高830億円(前年比3.8%増)、営業利益240億円(同6.2%増)と予想します。好調だった2020年3月期の反動もあると思われます。

3.2021年3月期4Q~2022年3月期2Qに「バイオハザード8」発売か

「モンスターハンター」シリーズと「バイオハザード」シリーズはカプコンの両輪です。「モンスターハンター」シリーズは「モンスターハンター:ワールド」が2018年1月に発売され、大型拡張コンテンツ「アイスボーン」(2019年9月発売)が売れているため、新作はまだ先になると思われます。

 一方で、「バイオハザード」シリーズは、「バイオハザード7 レジデント イービル」が2017年1月に発売されて3年が過ぎました。「6」(2012年10月)と「7」(2017年1月)の間が4年3カ月、「5」(2009年3月)と「6」の間が3年7カ月空いているため、2021年3月期4Qから2022年3月期2Qにかけて、次回作「8」が発売される可能性が高くなると思われます。「7」の累計販売本数は700万本なので「8」も700万本以上が目標になると思われます。

 楽天証券では、2022年3月期1-2Qに「バイオハザード8」が発売されると予想します。販売本数は2022年3月期700万本と予想します。また、2022年3月期になれば新型コロナウイルス感染症のアミューズメント施設やアミューズメント機器に対する悪影響は相当和らぐと予想しました。

 この予想に基づいて、2022年3月期の業績を売上高930億円(前年比12.0%増)、営業利益290億円(同20.8%増)と予想します。

 今後6~12カ月間の目標株価を3,400円から4,400円に引き上げます。2022年3月期の楽天証券予想EPS 190.2円に想定PER20~25倍を当てはめました。中長期の投資妙味を感じます。