あとは「治療薬・治療法の確立」です。3月17日に中国科学技術省は、新型コロナウイルス感染患者の治療薬として、富士フイルムの子会社「富士フイルム富山化学」が開発した新型インフルエンザ薬「アビガン」の有効性を臨床試験で確認したとしています。それより前の2月22日に、加藤厚労相は新型コロナウイルス感染症の治療の一環として、「アビガン」を投与する考えを示していました。

 一方、韓国政府のように治療のために輸入特例を検討していた同薬を導入しない方針を示している国もあります(3月16日)。臨床的根拠が十分でないという韓国の医療専門家の意見を基にした判断です。

 このあとWHOが「アビガンは有効」との見方を示すことがあれば、世界中を覆いつくしている「懸念」が急速にしぼんでいくことになりそうです。

「富士フイルム富山化学」はかつて「富山化学工業」という社名で東京株式市場に上場していましたが(旧コード番号4518)、2008年8月に上場廃止となっていますので、その暁には「富士フイルムホールディングス(4901)」に物色の矛先が向かうことになるでしょう。世界中の称賛が株価に表れることは想像に難くありません。

・富士フイルムホールディングス(4901)一年日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

出直りの場合は「突っ込み買い」が初手に

 同時に他の多くの銘柄も出直りの動きとなるでしょう。この場合は多様な銘柄選択が可能です。「下落率が高かった銘柄への突っ込み買い」「いわゆる優良株への突っ込み買い」「新型コロナウイルス禍で一時的に失った需要の回復が早そうな銘柄への突っ込み買い」、様々ですがいずれにしても「突っ込み買い」が初手となるでしょう。

 引き続き、今回の下落局面で、株価が1,000円以上(10万円で投資できない)から1,000円以下(10万円で投資可能)になった銘柄を参考として取り上げます。なかなか1,000円以下にはならなかった銘柄です。