新型コロナウイルス禍が去るのはどんな時?
「コロナショック」が過去のどの暴落局面に似ているかを探し、今後のよりどころにしようとする考え方があります。ほとんどの場合、1987年10月の「ブラックマンデー」と2008年9月の「リーマン・ショック」が例とされています。
一方、「過去にはない類の暴落だ」と考える投資家も多いと思います。得体のしれない疫病、世界的な感染拡大に対する恐れ、過剰な反応、パニック的な動き…事の是非は問うべきではないでしょう。誰もが経験したことがない事態です。今のような事態に陥るとは思っていなかったのです。
前回(2020年3月9日)の記事「全体相場下落で「10万円で投資可能」になった銘柄をチェック。配当利回り投資の注意点も」では、どういう時に新型コロナウイルス禍が懸念でなくなるのかを示しました。
- 治療薬・治療法の確立(WHO[世界保健機関]発表などオフィシャルなもの)
- 主要国の金融緩和策・財政出動
これが2大要因で、その前段階として「中国での新規感染者急減」が必要とみています。すでに「中国での新規感染者急減」と「主要国の金融緩和策」は始まっており、財政出動が出てくるのも時間の問題でしょう。
あとは「治療薬・治療法の確立」です。3月17日に中国科学技術省は、新型コロナウイルス感染患者の治療薬として、富士フイルムの子会社「富士フイルム富山化学」が開発した新型インフルエンザ薬「アビガン」の有効性を臨床試験で確認したとしています。それより前の2月22日に、加藤厚労相は新型コロナウイルス感染症の治療の一環として、「アビガン」を投与する考えを示していました。
一方、韓国政府のように治療のために輸入特例を検討していた同薬を導入しない方針を示している国もあります(3月16日)。臨床的根拠が十分でないという韓国の医療専門家の意見を基にした判断です。
このあとWHOが「アビガンは有効」との見方を示すことがあれば、世界中を覆いつくしている「懸念」が急速にしぼんでいくことになりそうです。
「富士フイルム富山化学」はかつて「富山化学工業」という社名で東京株式市場に上場していましたが(旧コード番号4518)、2008年8月に上場廃止となっていますので、その暁には「富士フイルムホールディングス(4901)」に物色の矛先が向かうことになるでしょう。世界中の称賛が株価に表れることは想像に難くありません。
・富士フイルムホールディングス(4901)一年日足チャート
出直りの場合は「突っ込み買い」が初手に
同時に他の多くの銘柄も出直りの動きとなるでしょう。この場合は多様な銘柄選択が可能です。「下落率が高かった銘柄への突っ込み買い」「いわゆる優良株への突っ込み買い」「新型コロナウイルス禍で一時的に失った需要の回復が早そうな銘柄への突っ込み買い」、様々ですがいずれにしても「突っ込み買い」が初手となるでしょう。
引き続き、今回の下落局面で、株価が1,000円以上(10万円で投資できない)から1,000円以下(10万円で投資可能)になった銘柄を参考として取り上げます。なかなか1,000円以下にはならなかった銘柄です。
さらに増えた、コロナショックの下落で「10万円株」になった銘柄
株価データは2020年3月17日終値ベース。
アシックス(7936・東証1部)
「アシックス」、「オニツカタイガー」ブランドを柱とする、国内スポーツ関連用品大手企業です。
・アシックスの日足チャート
新光電気工業(6967・東証1部)
コンピューターやゲーム機などのマイクロプロセッサ用プラスチック・ラミネート・パッケージなど、半導体用パッケージが主力の企業です。
・新光電気工業の日足チャート
ラウンドワン(4680・東証1部)
ボウリング、ゲーム、カラオケ、時間制スポーツを全国展開する複合レジャーの大手企業です。
・ラウンドワンの日足チャート
ダイビル(8806・東証1部)
大阪発祥で、東京にもオフィスビルを保有するビル賃貸の老舗企業です。東京では日比谷や秋葉原に大型ビル、新宿アルタも保有しています。
・ダイビルの日足チャート
川崎汽船(9107・東証1部)
海運大手3社の一角です。従来から電力炭船に強く、バラ積み船や自動車船、LNG(液化天然ガス)船など幅広く手がけています。
・川崎汽船の日足チャート
ベルシステム24ホールディングス(6183・東証1部)
業界トップのコールセンター事業が主力です。AI(人工知能)など先端技術を活用したサービス開発を行っています。
・ベルシステム24ホールディングスの日足チャート
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