中期の下降トレンドが始まった?

 次にトレンドの方向感についても見ていきます。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2020年1月31日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2にもあるように、最近までの日経平均は、昨年8月26日を起点に中期の上昇トレンドを描いてきました。

 これに相場の上げ下げのリズムをエリオット波動の考え方を当てはめてみると、先週の日経平均が一段安となったことで上昇の第5波が終了してしまい、下降の第1波が始まった可能性があります。

 さらに、先週の安値(30日の2万2,892円)が直近安値(8日の2万2,951円)を下回っています。2019年12月と2020年1月につけた2度の2万4,000円台乗せを頂点とするダブル・トップの形成がささやかれる中、「ネックライン」とされる8日の安値を微妙に下抜けてしまったため、先ほどのエリオット波動と合わせると、株価の下げが加速しやすい状況にあると言え、下値のメドを想定しておく必要が出てきます。

 目先の可能性として考えられるのは、日足では200日移動平均線(31日時点で2万2,084円)、週足では26週移動平均線(同2万2,605円)や52週移動平均線(同2万1,975円)などをはじめ、他にも25日移動平均線乖離率のマイナス5%の水準(同2万2,497円、次の図3)などが挙げられます。