ブレイク待ちの平均。下値不安は少ない?

 そこで、このレンジ相場を短期的なトレンドの位置関係でも確認していきます。

■(図2)日経平均(日足)の動き(2019年12月6日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2は、11月11日付のレポートでも紹介した日経平均の値幅予測を計算したものです。計算方法についての細かい説明はここでは省きますが、底を打った8月下旬から9月半ばの戻り高値までの値幅と、9月の戻り高値から10月上旬までの押し目までの値幅の2つを使って、V計算値(2万3,234円)、N計算値(2万3,358円)、そしてE計算値(2万4,337円)を算出しています。

 すると、V計算値とN計算値の株価が先ほどのレンジ相場の中心となっていることが分かります。

 つまり、足元のレンジ相場は再び上昇トレンドが継続する「中段保ち合い」なのか、それともトレンドが転換する「天井形成」なのかの答えがまもなく出そうな状況になっています。

 いわば「ブレイク待ち」というわけですが、上昇トレンドの継続であれば、2万4,000円台やE計算値(2万4,337円)までの上昇が見込まれることになります。反対に下落になった場合には、11月21日安値(2万2,726円)や11月1日安値(2万2,705円)あたりが目先の下値となりそうです。

 また、相場が多少荒れる場面があっても、8月の底打ちと10月の押し目を結んだトレンドラインを大きく下抜けなければ、相場の基調は維持されていると考えることができますので、短期的にはさほど慌てなくても良いかもしれません。