2.今後の米国株式市場の見通し

 米中関税の問題が解決の方向に進めば、米国の株式市場は年末に向けて堅調に推移するでしょう。また、2020年についても株式市場はプラス圏で推移すると考えられます。貿易摩擦による経済影響が一巡に向かえば、企業業績にプラスの効果を及ぼすとみられます。

 ただし、2020年の株式市場で特に注意したい点が二つあります。一つ目は、米中貿易協議の進展次第で株価の上値が再び重くなる可能性があること、二つ目は、2020年11月に予定されている米大統領選挙が警戒され始める可能性があることです。

 米中貿易協議の進展については、フェーズ1が終了した後、フェーズ2に進みます。ただ、その協議内容はフェーズ1よりも複雑なものになり、交渉は難航が予想されます。特に米政権は年後半に大統領選挙を控える中、対中国強硬派が納得できる成果物をアピールしつつ株価も維持するという難しいコントロールをせまられそうです。

 米大統領選については、選挙まで誰が有力候補かという話題が飛び交います。社会福祉の改善に取り組む意向の候補者が有利と伝われば、企業の利益を圧迫する可能性があるため株式市場にとっては懸念材料になります。