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 中国共産党は10月28日から31日にかけて、中央委員ら約370人の党幹部が出席する第19期中央委員会第4回全体会議(『4中全会』)を開催しました。『4中全会』では、共産党一党支配の統治システムの強化などが示されました。その中で長期化する香港抗議デモの収束に向けて、法整備で香港への対応を強化する意思を表明しました。一方、経済面では目新しい項目はありませんでした。

【ポイント1】『4中全会』は共産党の重要会議

 中国では、5年に1度開催される中国共産党大会で党の基本方針が策定され、その後党の最高指導機関である中央委員会全体会議で人事や経済政策などを意思決定していきます。『4中全会』は、党大会で選出された中央委員と中央委員候補らによる4回目の全体会議です。

 党大会の直後に開く1中全会は党執行部人事、2中全会は政府人事を決め、3中全会は経済政策の基本方針を議論することが多いものの、2018年2月に開いた3中全会では憲法改正が中心で経済政策が十分に議論できなかったため、『4中全会』が注目されていました。

【ポイント2】香港の管理強化へ法制度確立

『4中全会』の主な議題は、特色ある社会主義制度の改善と国家ガバナンス近代化の促進で、会議後に公表されたコミュニケによれば、全体的に大きな変化はありませんでした。今回目立った変化は、香港へのガバナンス強化です。

 抗議デモが長期化する香港について、「一国二制度を堅持し長期にわたる安定と繁栄を守る」として従来の方針を確認したうえで、「国家の安全を守る法制度と執行の枠組みを確立する」として、香港情勢を安定させるため法制度の整備を求めました。

【今後の展開】今後の米中協議の進展が注目される

『4中全会』では、主に共産党一党支配の統治システムの強化などが示されたほか、米中貿易摩擦の関連では、知的財産権の保護、様々な市場開放、外資企業への規制緩和といった米国の求めに沿った項目が採択されました。一方、ハイテクを巡る覇権争いで米国が要求している国有企業や産業補助金の改革については、中国は妥協しないとみられます。米中両政府は、10月に行われた閣僚級協議で「第1弾」の部分合意に達していますが、今後の米中協議の進展が注目されます。