株価が下がった場合の押し目は?

 最後に、図1の「十字線」を踏まえて、株価が下落したときの押し目の目安についても探っていきたいと思います。ここで用いるのは、当連載で何度も紹介している平均足とMACDの組み合わせです(下の図4)。

(図4)日経平均(週足)の平均足とMACD(2019年11月1日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 平均足とMACDによるトレンド転換のサインは、「(1)平均足の色が変わる」、「(2)MACDとシグナルがクロスする」の2点で判断します。

 まず、下段のMACDとシグナルはともに上向きになっており、いまのところクロスする気配はありません。

 続いて平均足を見ていきます。こちらも陽線が続いていて、まだ陰線が出現していませんが、ここで注目するのは「いくらまで日経平均が下落すると陰線に転じるのか?」です。

 おさらいになりますが、ローソク足と平均足との違いは「始値と終値」の描き方の違いです。高値と安値はローソク足・平均足とも同じ値になります。

 平均足の終値は、当日の4本値(始値・高値・安値・終値)の平均になります。そして、始値については、前の足の実体(箱の部分)の半分の値になります。

 つまり、今週の平均足の始値は、前週の始値(2万2,317円)と終値(2万2,854円)の半分である2万2,585円になりますので、今週の日経平均の平均足終値がこの値を下回ってしまうと陽線から陰線へと変わります。

 今週の日経平均が軟調な展開になった場合には、ここが押し目の防衛ラインとして機能する可能性があり、維持できなかった場合には下げ幅が大きくなるシナリオが浮上するかもしれません。