表1 スマートフォンのメーカー別出荷台数と世界シェア
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出所:IT Media Mobile 2019年6月6日(元出所はIDC)、IDC Japanプレスリリースより楽天証券作成。
グラフ1 5Gスマートフォン世界出荷台数予測
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出所:CNET JAPAN(元出所はCanalys)
グラフ2 TSMCの月次売上高:前年比
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出所:会社資料より楽天証券作成
グラフ3 TSMCの月次売上高
![](/mwimgs/6/c/-/img_6ce41406ae3452b28d26798db4b622a738486.png)
出所:会社資料より楽天証券作成
3.5G関連株の投資妙味
前述のような5G市場の立ち上がり予想から、5G関連銘柄への影響を考えてみます。
5G基地局では日本電気と富士ソフトに注目したい
まず、5G基地局投資です。日本では、2020年3月から東京から、あるいは東京、大阪、名古屋から5Gサービスがスタートすると思われますが、日本でサービスエリアが拡大するのは2021年になってからと思われます。
そこで、日本の5G基地局投資が本格化するのは、2021年3月期からと思われます。これは日本電気の予想ですが、日本の5G基地局投資は2020年3月期の数十億円の水準から2021年3月期は300~400億円、2022年3月期には約1,200億円へ急増し、その後2026年3月期の約2,500億円まで安定成長が続くと予想されます。この中で日本電気は伝統的にNTTドコモ向けが強いこともあり、30~40%程度の市場シェアが期待できると思われます(競合は富士通、ノキア、エリクソン、サムスンだが、日本電気=サムスン、富士通=エリクソンは提携関係にある)。日本電気の予想では5G基地局投資のピークは2026年3月期ですから、日本電気や後述の富士ソフトのような5G基地局関連株へ投資する妙味は十分あると思われます。
5G基地局投資が2021年3月期から本格的に伸びるとすると、基地局用ソフト開発を手掛けるソフト会社、富士ソフト、アイ・エス・ビーなどの業績へも、来期からプラス寄与が予想されます。そして、来期から数年間、5G向けソフト開発の伸びが続くと予想されます。
5G用計測器ではアンリツ
アンリツでは5G用計測器の需要のピークを2022~2023年と予想しています。ただし、ローカル5G(地方自治体や大手企業が免許を取って地域的な5Gを運営すること)のように4G時代にはなかった5G独自の付加価値が拡大すれば、ピークが先延ばしされる可能性があります。アンリツには、引き続き投資妙味があると思われます。
電子部品、半導体関連への恩恵も大きい。村田製作所、TDK、アドバンテスト
2020年秋からの5Gスマホの性能充実と販売本格化が実現すると、スマホ向け電子部品大手の村田製作所、TDKにも恩恵があると予想されます。村田製作所はチップ積層セラミックコンデンサ、樹脂多層基板「メトロサーク」、アンテナ周りの電子部品などの伸びが、TDKは高周波数帯を使うことで問題になる電力消費の多さに対応した電池の高性能化、大型化が業績にプラス要因になると思われます。
今下期のスマホの売れ行きがリスク要因になりますが、2020年秋以降の5Gスマホ販売拡大を予想して、村田製作所、TDKに、1年以上の長期投資を検討してもよいと思われます。
また、5G用半導体の高性能化に伴って、テスタ需要は傾向的に拡大すると予想されます。アドバンテストの投資妙味は引き続き大きいと思われます。
5Gに対応したバックボーンの増強も続こう。ネットワークインテグレーターで、日本電気、伊藤忠テクノソリューションズ
2020年からの日本の5Gの本格化に備えて、日本の基幹通信網(バックボーン)の増強も続くと思われます。大手ITサービス会社であり、大手ネットワークインテグレーターである日本電気、伊藤忠テクノソリューションズに投資妙味を感じます。
表2 5G関連銘柄
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