市場が不安定な時期には「肩の力の入れ過ぎ」に注意を

 消費の話も投資の話も、「社会のために個人は犠牲になるべきだ」というようなロジックを押し出してくる論者に出会ったときは、少し身構えてもいいと思います。こうした思想とは一定の距離を置くべきです。

 当人は社会全体のことを至ってマジメに考えた末の発言なのでしょう。しかし、体育会系的というか、個人の滅私が全体の幸福につながるというような考え方に陥る傾向があります。マジメな人ほど、マジメに考えるが故に、こうしたロジックにハマりがちですが、私はどうもそうしたマインドには同調できません。

 あなたはあなた個人の幸福を追求するべきです。少なくとも法に則って税と社会保険料を納めているのであれば、あなたの国民としての責任は果たされているはずです。あなたの節約はあなたの家計のために必要ですし、あなたの投資はあなたの将来の資産形成に必要であるから行うものなのです。

 2019年10月がどういった分岐点として将来記憶されることになるかは分かりません。消費税率が上昇してしばらく、もしかしたら数年にわたって市場の値動きは不安定になるかもしれません。そうしたマーケットとつき合っていくには「肩の力の入れ過ぎ」にならないことが大切だと思います。