ほかの投資家が利益を上げていなければ自分も同じで大丈夫

 日経平均株価が上昇しても自分の持ち株は上昇しない、もしくは自分が投資していない銘柄群がどんどん上昇している……。

 このような状況に遭遇すると、つい「流れに乗らなければ!」とか「取り返してやる!」という気持ちになってしまいます。でも、そうした焦った気持ちが逆に損失を招くもとになるのです。

 筆者は、ほかの個人投資家が利益を上げてないのであれば、「自分もそれで大丈夫」と思うようにしています。個人投資家がどの程度の利益ないし損失を出しているかを確認するための指標として「信用評価損益率」というものがあります。

 これは証券取引所が毎週発表していて、信用取引で買い建てている個人投資家が現時点でどの程度の含み損益を有しているかを示しています。

 この数値が上昇してこないのであれば、たとえ日経平均株価が大きく上昇しても、強い個別銘柄があっても、心配する必要はありません。なぜなら、自分だけではなく周りの個人投資家もみな、利益を上げることができていないからです。

 直近の信用評価損益率はマイナス14%。そして今年に入ってからマイナス10%を上回ったことがありません。

 筆者は、信用評価損益率と、個人投資家の実際の損益は近似していると感じています。少なくとも2019年に入ってからの日本株は、個人投資家は利益をあげにくくなっているというのが多くの個人投資家の肌感覚でしょう。そのような環境では決して無理をしないようにしましょう。