十七郎: わかりました。まず、商社ですが、ここでは総合商社のポイントについてご説明しましょう。総合商社は、取扱商品が「ラーメンからロケットまで」と言われるように、幅広い分野を事業対象とする集合体です。事業について大別するならば「資源分野」と「非資源分野」に分けるのがわかりやすいと思います。

イーナ: 商社は資源のイメージがあります!

十七郎: 商社が注力する資源分野は企業によって異なりますが、鉄鋼原料(鉄鉱石、原料炭等)、非鉄(銅、ニッケル、アルミ等)、原油・ガス、LNGなどが主なもので、世界中で鉱山や油・ガス田の権益を保有する投資型ビジネスです。資源市況は変動が大きいため、年度によって利益構成は変わるのが特徴です。

イーナ: 資源ビジネスは規模が大きいですね!じゃあ「非資源分野」はどのようなビジネスですか?

十七郎: 非資源ビジネスは、商社によって得意分野が大きく異なります。代表的な事業としては、機械、インフラ、食料、化学品、繊維、情報産業、金融などが挙げられます。当店が仕入れるような珈琲豆を専門に取扱う商社も存在しますよ。

イーナ: 珈琲豆の専門業者!いいですね、是非紹介してください♪

十七郎: こういった非資源ビジネスの商社は、産業や地域によって業績の好不調がありますが、資源ビジネスと比べると収益の変動性は低いため、比較的安定していると考えられます。

イーナ: 商社は本当にいろいろなビジネスをしているんですね。

十七郎: そうですね。商社について簡単にまとめますと、商社の収益は世界経済の影響を受けるため、やはり景気敏感の色彩が強いと言えます。特に、資源ビジネスは規模が大きく、市況による収益の変動性が高いため、資源の市況動向は株価を見る上で重要な要素となります。しかし、多くの商社は資源関連ビジネスのウエイトを引き下げ、収益の安定性を高める戦略を進めています。利益の安定化が進めば、利益成長に準じた株価上昇が見込まれると期待されていますね。

イーナ: なるほど、理解しました。小売セクターはどのような特徴があるんですか?