(提供元:大和投資信託)
※この記事は2018年9月17日に東証マネ部!サイトで公開されたものです。

十七郎:では最後のセクター「不動産」についてご説明しましょう。

イーナ:いよいよラストですね!よろしくお願いします。

十七郎:まず不動産会社ですが、主な収益源として「賃貸」と「分譲」があげられます。

イーナ:わたし1人暮らしだから賃貸は馴染みがあります。

十七郎:賃貸は、所有するオフィスビル・商業施設などをテナントとなる事業会社等に貸し付け、賃料を得る事業です。そのため、オフィスの空室率や賃料動向などが業績を左右するポイントとなります。

イーナ:ふむふむ。

十七郎:また新規施設の開発に伴う費用、貸し床の増加も変動要因になります。都心部などでオフィスの大量供給が計画されていたりすると注目を集めたりしますね。

イーナ:最近は建設中のオフィスビルがたくさんありますよね!

十七郎:そうですね。ただしオフィスが増えても入居者が少なくては需給のバランスが取れません。ですので、実際にどれだけの需要が見込めるかが重要になります。

イーナ:なるほど、では分譲のポイントは何でしょうか?

十七郎:分譲は、各種の不動産を多様な投資家に販売することで売却益を得る事業をいいます。これら完成・売却物件は、件数・利益率にばらつきがあります。そのため、期毎の売却物件の規模・利益額が業績の変動要因になりますね。これまでは業績変動に関する点をご説明しましたが、不動産においてはマクロ経済動向も注目が必要です。

イーナ:マクロ経済動向?具体的には何ですか?

十七郎:そうですね、例をあげると「インフレ率」と「金利」の動向は重要となります。

イーナ:インフレ?よく聞くけど不動産と関係があるんですか?

十七郎:もちろんです。切っても切れない関係と言えると思いますね。

イーナ:本当ですか?詳しく教えてください!

十七郎:わかりました。ところでイーナさん、インフレはどのような現象かご存知ですよね?

イーナ:えーっと、物価が上がることですよね?

十七郎:そうですね、一般に物価水準が持続的に上昇すること、またその結果貨幣価値が減少することをいいます。ですのでインフレ時には、現金や預貯金などの金融資産の価値は低くなってしまいます。

イーナ:何となくわかります。

十七郎:そこでインフレに強いと考えられる不動産への投資が注目されます。

イーナ:え、どういうことですか?

十七郎:はい。不動産なら物価の上昇とともに不動産価格も上がっていくため、資産価値が大幅に下落することは考えにくいというメリットがあるからです。また、インフレ局面では賃料も上昇していくことが想定されますね。

イーナ:なるほど!だから不動産はインフレに強いと考えられているんですね。

十七郎:はい。過去にインフレ期待が高まる局面で不動産会社の株価が上昇したという経緯もありました。