株式分割で株価が下がることも?
最近の株式分割銘柄をみると、必ずしも株価が上昇するとは言えない動きになっています。株式分割の発表後も、実際に株式分割が行われた後も株価が上昇せず、逆に値下がりしてしまうケースもあります。
その理由の1つとして「株式分割によりその株が売りやすくなる」という点があります。例えば株式分割の対象となる株を100株保有しているとき、株を売るとすべて株がなくなってしまいます(売買は100株単位のため)。
しかし、1株を2株に分割する株式分割が実施されれば、100株保有していれば200株となり、100株を売っても、まだ手元には100株が残ります。それならば、半分売っておこう、と思う投資家も少なくないはずです。
つまり、株式分割で株価が上がるか下がるかは「安く買えるようになった」として生じる買い需要と「半分売っておこう」という売り需要、このどちらの需要が強いかによって決まってくるのです。
一昔前は「株式分割=株価上昇」という理論的根拠のない思い込みが多くの投資家にあったため、株式分割の銘柄はとりあえず買い、という動きから実際に株価が上昇したことも多々ありました。
現在はそのような動きは少なくなり、純粋に新規の「買い需要」と「売り需要」の綱引きにより株価がどう動くかが決まると言ってよいでしょう。
ですから、株式分割によって株価がどう動くかを事前に予想することは難しいというのが結論です。