6月雇用統計の注目ポイント

 FOMC内部の議論は、もはや「いつ」利下げするかではなく、「どれだけ」利下げするか、という段階に移っています。利下げの幅を25bp(ベーシスポイント)にするか一気に50bpまでやるか、その重要な判断材料となるのが雇用統計です。

 今回の雇用統計では、雇用者の増加数と同時に賃金の伸びにも注目したいと思います。賃金上昇力が弱ければインフレ期待がさらに悪化するだろう、ならば25bpではなく50bp切り下げるべきだ、という判断になるかもしれません。もちろんその逆もあります。

 G20大阪サミットの首脳会談で、米中貿易協議が再開されることになりました。これに安心して、少し様子を見ようとFRBが「利下げ見送り」する可能性も低いとはいえ、ゼロではありません。しかし、米国の成長見通しが改善しないなかで利下げをためらうことは、結局は、市場のセンチメントにとって最悪となります。利下げしないことが株安、ドル安の引き金になるリスクもあります。