TOPIXも上向き基調。平成最後の取引週はどうなる?

 このように、目立った警戒サインが見られない日経平均ですが、前回のレポートでも指摘した通り、「日経平均が先行して上昇している」面が強いため、出遅れているとされるTOPIX(東証株価指数)の動きについてもチェックしていきます。

■(図4)TOPIX(日足)とRSI(2019年4月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 TOPIXについては、18日(木)の下落によって週初の窓空けを埋めてしまっているほか、200日移動平均線との距離もまだあるため、こちらは日経平均ほどの力強さは感じられません。

 ただし、25日移動平均線がサポートになっていますし、株価の下値が切り上がる一方で、RSI(相対力指数)の下値が切り下がる「トレンドフォロー型」の逆行現象も見られるため、TOPIXの基調もまだ上を向いていると捉えて良さそうです。

 今週注目の企業業績に関しては、国内では中国関連銘柄とされる日本電産やファナック、コマツをはじめ、任天堂やソニー、東京エレクトロンなどが控えているほか、米国でもアマゾンやマイクロソフト、キャタピラーや3Mなどが予定されています。日米ともに相場のムードを左右しそうな企業の発表が相次ぎます。

 また、今週の警戒要因となっている大型連休についても、期間中に米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)や雇用統計が控えていることもあって、需給要因に振り回されやすい相場地合いでもあります。そのため、企業業績を手掛かりにして、需給要因による売りや新規の買いが入るかが焦点になり、投資スタンスは「超短期で臨み、もし下押しが大きくなったら拾う」の基本的な方向性となりそうです。

 普通の感覚では、「週内の上げ下げに固執することなく、足元のチャートの堅調さを崩さずに連休を迎えることができるかが大事」という見方が多くなりますが、連休明けの波乱に備えるという意味では、「足元のチャートの形が良過ぎるからこそ、今週のうちにある程度崩してしまうぐらいの方が良い」と考えることもでき、チャートの形が多少崩れた方が、結果的に好感されるという、いつもとはちょっと違う週になるのかもしれません。