疑問点や不明点があったら直接会社に電話してみる

──株価の動きを分析してさらに絞り込んだら、次はどうされるのですか?

 ここで初めてファンダメンタルズ分析に移ります。ぞれぞれの企業の決算資料などから、実際にどれくらいの利益を得ているのか、今後も成長を続けることができるのかなどを検討するわけです。

3カ月以内だと、いいな、と思う新高値銘柄が30銘柄ぐらいは見つかる、というDUKE。さん。その中からさらにファンダメンタルを分析し、絞り込む。ファンダメンタル分析の基本は、
1. 収益性
2. 持続性
3. 確実性
の3点

──どんな数字をチェックするのですか?

 僕の場合、まず過去3~5年程度の経常利益をチェックします。年率で5~10%以上伸びていて、途中大幅な減益がなければよしとします。ただし、直近1、2年に関してはもうちょっと伸びがほしいところですね。年率20%以上、年率30%以上であれば文句なしです。

 また、直近の四半期の数字も大事です。今後の値動きを探るには一番新しい数字こそが最大の手掛かりになりますから。目安としては前年同期比で経常利益が20%以上、売上高が10%以上だとまずまずといえるでしょう。もちろん、対前年同期比だけでなく、前の四半期からの伸びもチェックします。

──DUKE。さんは会社員時代、会計部門で働いていたわけですから、数字の分析はお手のものなのでは?

 たしかに僕の強みではあります。ただ、じゃあ、数字だけ見ればいいかというと、そうではありません。とくに小さい会社の場合は経営者の資質や考え方を知ることが大事ですし、その会社の事業を取り巻く環境の変化などにも目を配る必要があります。当然、ライバル会社の動向などを知ることも大事です。

──それらの情報はどのように入手するのですか。

 ニュースサイトなどで収集します。僕がよく利用する「株探」も、それぞれの銘柄のページに「ニュース」コーナーがあり、ここを開くと業績予想や売上高速報などとともに各部門や事業部の動向、新製品や新事業の案内、人事異動の告知などさまざまなトピックスを見ることができます。

──最近は個人投資家向けに説明会を開く会社も多いですが、そうした場に出向いたりもしますか。

 はい。行くようにしています。これは株主総会も一緒ですが、経営者の生の声を聞けるうえ、こちらから質問ができるので、有意義な情報を手に入れることができるんです。あと、僕はIR(アイアール/investor relations:投資家向け広報活動を担当している部署)に直接電話することも多いですね。

──会社のIR部門に電話するのですか。

 はい、たとえば決算短信を読んでいて疑問点や不明点があったとしますよね。そういうときに直接電話して聞いてみるんです。

──いきなり電話して対応してもらえますか? 怪しまれたりしないのでしょうか?

「株主です」と名乗れば、だいたい対応してもらえます。まだ株を買っていない場合も「購入を検討している」と伝えれば問題ありません。さすがにその場で回答を得られることは少ないですが、こちらの連絡先を伝えると、折り返し電話が来て、丁寧に答えてくれます。

──過去に断られたことはないですか。

 いや、何度かあります。社名は伏せますが、個人投資家に対しては個別の対応はしないとのことでした。「そういう会社なんだな」と思って、その会社の株を買うのはやめました(笑)。

──企業に電話して質問するときの注意点はありますか。

  決算資料を読めばわかるようなことを聞くのではなく、「この人はうちのことをよく調べているな」とか「なかなか鋭い質問じゃないか」などと相手が思ってくれたら、きちんと対応してもらえるはずです。

──では、後編は、実際に買ってから売るまでの注意点などについて伺います!

 

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