半値戻しが間近に見えるが、上昇の勢いは強くない

 また、株価の戻り水準でも確認してみます。

■(図2)日経平均(日足)の戻り水準(2019年2月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図2は、昨年10月2日の高値(2万4,448円)と12月26日(1万8,948円)の安値の下げ幅の戻り水準を示したものですが、先週末の日経平均は50%戻し(半値戻し)が見えてくるところ、つまり戻りの五合目付近に位置しています。ちなみに、具体的な半値戻しは2万1,698円ですが、「半値戻しは全値戻し」という相場格言もありますので、2万2,000円台や200日移動平均線の前にココを上抜けできるかが目先の注目点であり、最初に超えるべきハードルになりそうです。

 とはいえ、チャートの形は悪くはないものの、売買代金の盛り上がりはイマイチですし、さらなる株価上昇への「ワクワク」があまり感じられない面もあります。前回のレポートでは、窓空けと窓埋めについて触れましたが、先週も週初に大きな窓空けを見せています。その空けた窓の大きさは317円ですので、先週の上昇幅(527円)のうち、窓空け以外の上昇幅は208円ということになります。陽線がズラリと並んだ割には上昇に強さがあるとは言い切れない部分には留意する必要があります。

 そこで、日経平均の動きをもう少し過去にさかのぼってみると、昨年夏場にもみ合いのレンジ相場が数カ月感続いていた時期があったことが分かります。当時のレンジ下限が昨年7月5日の2万1,462円になりますので、ちょうど現在の株価水準と同じです。つまり、次の目標の2万2,000円台からは次第に戻り待ち売りが出やすくなり、上値が重たくなる可能性があります。

■(図3)日経平均(日足)の動き その2(2019年2月22日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成