プラチナ価格上昇は、中国の宝飾向けが回復することが必要

 プラチナ価格が今後、本格的な反発傾向を迎えるには、次の点が大きなカギを握ると考えています。

(1)排ガス触媒向け消費が減少しない

(2)中国の宝飾品向け消費が回復する

 VW問題をきっかけとして欧州のディーゼル車台数の減少は起きているものの、それが直接的に欧州のプラチナ消費を、減少させてはいません。現在のプラチナ価格低迷はある意味、市場参加者の「ディーゼル車減少=プラチナ消費減少」という固定観念が影響しているのだと思います。

 今後、欧州の排ガス浄化装置向けプラチナ消費の減少がデータに表れた(懸念が実態となった)ときは、プラチナ相場は苦しい状況になるとみられます。

 今後も予断を捨て、自動車事情はもちろん、プラチナの排ガス浄化装置向け消費、中国の宝飾品向け消費などのデータを注視していきたいと思います。