豚肉関連国☆コモディティクイズ答えと解説

答え1:豚肉の生産国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

 1位中国(48.1%)、2位EU(21.3%)、3位米国(10.5%)でした。

 世界全体の豚肉のおよそ半分を中国が生産しています。2位のEU、3位の米国を大きく引き離しています。

 USDAのデータによれば、中国における解体前の豚(生きている豚)の輸入は2017年時点で6,000頭とされています。仮に体重100キログラムの豚1頭から50キログラムの肉が得られた場合(一般的には体重の50%前後の肉が得られると言われています)、300トンの肉が得られます(50キログラム×6,000頭)。

 上記の通り中国の豚肉生産量は2017年時点で53,400,000トンです。輸入した解体前の豚から得られた豚肉の量を300トンとすれば、残りの53,399,700トン程度は自国で飼育した豚から得られた肉とみられます。

 つまり、中国国内で生産される豚肉は、ほぼ100%、中国国内で飼育された豚から得られたものだと言えます。

 後述しますが、中国の豚肉消費量は54,812,000トンです。53,400,000トンの生産に1,620,000トンの輸入を加えた55,020,000トンの国内総供給によって消費をまかなっています。(いずれも2017年時点)

 中国の豚肉事情は“かろうじて自給自足できている”“供給は輸入ではなく国内生産をメインとしている”“伸びる国内消費に生産を追いつかせようと努めている”状態と言えます。

答え2:豚肉の輸出国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

 1位EU(34.5%)、2位米国(30.9%)、3位カナダ(16.0%)でした。

 世界全体の豚肉の輸出量は8,279,000トンでした。また、世界全体の豚肉の生産量は先述のとおり110,928,000トンでした。(いずれも2017年時点)

 これらの値より計算した世界全体の豚肉の輸出率(輸出量÷生産量)は7.5%です。つまり、豚肉はそのほとんどが、輸出されずに豚肉を生産した国で消費される傾向があると言えます。

 ただ、輸出国3位のカナダだけは輸出率が67.2%と比較的高い値となりました。カナダにおいては、豚肉の生産は自国での消費よりは外貨獲得手段として行われている面が強いと言えます。

 ちなみに、その他の主な国(地域)の輸出率については、EUが12.1%、米国が22.0%、ブラジルが21.1%、そして中国が0.4%でした。

答え3:豚肉の輸入国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

 1位中国(20.5%)、2位日本(18.7%)、3位メキシコ(13.7%)でした。

 後述する消費国の上位と輸入国の上位がおおむね一致します。

 世界全体の豚肉の輸入量は7,884,000トンです。また、世界全体の消費量は110,500,000トンで、これらの値より計算した世界全体の豚肉の輸入依存度(輸入量÷消費量)は7.1%です(いずれも2017年時点)。

 つまり、豚肉は、自国の供給は自国で賄う(輸出率でみたとおり、生産した国で消費される)傾向があると言えます。

 輸入依存度について、日本は53.8%、メキシコが49.7%、韓国が33.5%、香港が78.7%と比較的高い値となりました。米国は中国と同様、5.3%と低いことがわかりました。

 米国の豚肉生産量は11,610,000トンで、506,000トンの輸入を合わせた国内総供給は12,116,000トンです。また、米国の豚肉消費量は9,540,000トンで、2,555,000トンの輸出を合わせた国内総需要は12,095,000トンです。(いずれも2017年時点)

 米国国内の豚肉総需要のメインは自国での消費であり、輸出はその次となっています。

答え4:豚肉の消費国の正解は…

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

[解説]

 1位米国(49.6%)、2位EU(18.9%)、3位米国(8.6%)でした。

 中国は世界の豚肉のおよそ半分を消費しています。次いでEU、米国となっています。

図:世界全体と中国の豚肉消費量 単位:千トン

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

 また、消費国ランキングで上位に入ったアジア諸国(中国を除く)の豚肉の消費量は以下のとおりです。

図:アジア主要国の豚肉消費量 単位:千トン

出所:USDAのデータをもとに筆者作成

 近年、アジア諸国の豚肉消費量が増加してきていることがわかります。アジア諸国の消費が世界全体の消費を底上げしていると言えます。近代化が進むにつれて進行する食の欧米化がこれらの国の豚肉消費を増大させていると考えられます。

 いかがでしたでしょうか。豚肉のことを知る上で、関連国を知ることは非常に重要かつ有効であると思います。