目先ではなく、10年後を考えて投資する理由は?

 目先の価格変動で不安になってきたら、10年以上の長期チャートを眺めてみることをおすすめします。過去何度も乱高下を繰り返しながら、世界経済は成長し続けています。世界経済発展の大前提は3つあります。

(1)人口の増加

 世界で人口が増え続ける限り、世界全体の経済のパイは大きくなり続けると考えられます。日本は少子化で困っていますが、世界全体では人口は増え続けており、2050年代には100億人を突破すると予想されています。

(2)技術革新

 新たな技術が新しい市場・売上・雇用を生み出すことを繰り返して、世界の経済は発展してきました。過去数十年での最大の発明のひとつは、インターネット(世界中のパソコンをクモの巣のように無限につなげる技術)でした。インターネットが誕生したことで生まれた経済効果は、計り知れないものがあります。今後も新しい技術が出てくれば、世界規模での経済発展は続くと考えられます。

(3)自由経済と民主主義

 自由経済は「個人や会社が自由に経済活動をしていいよ」という仕組み、民主主義は「国民全員の意見や能力を取り入れて国づくりをしていこう」という政治体制です。この2つが保証されている国の方が、永続的な経済発展が生み出されやすいことが歴史上確認されています。地球全体で自由経済と民主主義のメンバーが増える未来を予測できるなら、未来の経済は明るいと言えます。

 例えば2018年の一番のニュースは6月の米朝首脳会談です。課題はまだまだ山積みですし、これから数年は驚くようなことが続くでしょう。けれど10年のスパンで見たときに、北朝鮮の国民2,000万人が自由経済と民主主義の仲間入りをするシナリオが進むのなら、アジアがもう一段発展するということになり、資産運用にとってプラス要因となる可能性があるのです。

 この3つの前提が崩れないのであれば、長期積み立て投資はぜひするべきだという理屈になるのです。