今回は、子育てママさんからの資産形成に関するご相談にお答えいたします。

相談内容

 人生100年時代と言われていますが、子どもが小さいうときは老後資金を貯めるなどあまり考えることができません。子どもが独立してくれるのは私たちが60代手前になるころです。そのころには今度は私たちの父母の暮らしの心配も出てきます。今からどう備えたらいいでしょうか(35歳・専業主婦・4歳と2歳のママ)。

自分がコントロールできるもの、できないものに分ける

 このご相談には、大きく分けると3つの不安が入り混じっています。「教育費の不安」「親の世話の不安」「老後資金の不安」と、それぞれライフプランを考える上で大切なイベントですから、まとめて取り掛かろうと思うとかなり手強く、不安だけが育ってしまいます。特に子育て期のママは、すぐに働いて経済的不安を解消することが難しく、考え出すと気ばかりあせってしまいがちになるでしょう。

 そんなときは、問題を1つずつ切り分けて、対策を立てていくことが得策です。

 まず、不安の中身を、現在の自分がコントロールできるものと、できないものに分け、今できることは、具体的に手を打っていくのです。逆に今考えてもどうしようもないことは、時期をみて取り組み直すと決めて、割り切っていくのも大切です。

 

教育費はどう準備する?

 まず1つめの不安は、教育費についてですね。実は、人生の3大資金(住宅資金・教育資金・老後資金)の中で、いちばん計画を立てやすいのが教育費なのです。お子さん1人当たり、大学卒業までの22年間で、約1,000万~2,000万円かかると言われています。総額で見ると途方もない金額ですが、月々の家計支出を考えると、幼稚園や公立に進んだ場合は平均月2万~4万円の負担で済みます。ただ私立を選んだ時点から、一般的に年間100万円以上の負担が発生します。

 ですから、
「どこから私立に進学させたいのか」
「今から、将来の教育資金用の貯蓄を作っていけるか」
「ちょっと無理そうなら、ママはいつから、どんな働き方をするか」
という順番で考えていくと、解決すべきことが整理できます。

 児童手当を積み立てて備えるなど、今できることはすぐに実践しつつ、ママの社会復帰に備えて準備をしていくといいですね。

 ところで、準備は必ずしもお金の面だけではありません。たとえばわが家では、洗濯、洗い物、ゴミ出しは、子どもたちの仕事として定着させました。また小学校の頃から料理を教え、家族全員の誰もがご飯を作れるようになりました。ママが働く家庭環境づくりを進めておくことは、今からでもいろいろできることがあるのです。