カーシェアリングのパーク24は利益の収穫期へ
このように日本でも様々なシェアリングサービスが立ち上がっていますが、既にシェアリングサービスの需要を押さえ、強固なビジネスモデルを基に利益の収穫期に入っているとみられるのがパーク24(4666)です。
同社は時間貸駐車場の最大手で「タイムズ」を展開していますが、2009年からカーシェアリングサービスの「タイムズ カー プラス」をスタートしました。このカーシェアリングサービスの売上高が年々拡大しています。同サービスを始めた頃はその収益性を懸念する声もあったようですが、同事業の営業損益は2014年10期に黒字転換をし、今期である2018年10期の営業利益率は16%を超える見通しです(図1)。
図1 パーク24のカーシェアリング事業の業績推移
パーク24の営業利益全体における構成比でみると、カーシェアリングは20%を占める見通しです。なお、パーク24全体の営業利益率は低下傾向にありますが、それは海外企業を買収したことに伴うのれんの償却費や、トヨタ自動車との提携、「タイムズペイ」開始に伴う費用(これらについては後述します)の発生によるところが大きく、本業である駐車場事業はおおむね堅調に推移しています(図2)。
図2 パーク24の事業別営業利益の推移
カーシェアリングの利益が拡大し事業が好調に拡大している理由は、同社が、カーシェアリングサービスの成功に必要な以下3点を全て満たしていたためです。
(1)自宅の近くにある駐車場
(2)ドライバーへの効率的なマーケティング
(3)自動車の調達力
(1)と(2)に関しては、基幹事業である駐車場の管理・運営事業の場所やユーザーをそのまま活用でき、(3)については2009年に買収したマツダレンタカーのカーシェアリングサービス「カーシェア24」から吸収できました。