先週は、連休の谷間の2日間、2万2,500円をはさんでもみあい

先週の予測

 ゴールデンウイークの谷間で2日間の営業のため、短期売買中心となり、方向感のないもみあいとなりました。北朝鮮の地政学的リスクが後退し、米国の長期金利上昇で日米金利差から円安基調にあります。局面としては戻りを試すところですが、連休中には何が起こるか分からないため、短期売買をする投資家中心ですが、上にも下にも限定的で2万2,500円台が目先のフシとなるとしました。

結果

 5月1日(火)は、利益確定売り先行となって▲14円の2万2,453円で寄り付きました。一時▲56円の2万2,411円まで下げるものの、朝方売ったヘッジファンドが下がらないので買い戻しに動きプラスに浮上。後場には先物に支えられ強含みで+51円の2万2,519円まで上昇し、終値は+40円の2万2,500円台を回復しました。 2月5日以来、約3カ月ぶりの高値水準となりました。

 2日目の5月2日(水)は、朝方は為替が1ドル=109円台後半の円安となっていたことで買い先行で+60円の2万2,568円と高寄りしましたが、ここをピークに先物売りで下落。大きな連休の谷間であることで持ち高調整の売りに押され、一時▲81円の2万2,426円まで下げました。しかし、大引けにかけて下げ渋り▲35円の2万2,472円と4日ぶりの小反落に。

 日本がゴールデンウイーク中の米国株式の動きをみると、長期金利の上昇を懸念して企業の好決算を打ち消すような下落を繰り返しました。大きな上下動となり、3日(木)のNYダウは一時▲393ドルの2万3,531ドルまで下落。週末の4日(金)は、注目の雇用統計は強弱入り交じっていましたが、失業率が3.9%へ低下しました。

 この日、貿易摩擦をめぐる米国と中国の初の公式交渉がありましたが、米国は対中赤字の削減要求をこれまでの1,000億ドル(約11兆円)から2,000億ドルに上積みしました。ハイテク分野も双方の主張の溝は深いため、交渉は長期化の様相に。これを嫌気して一時NYダウは▲151ドルまで下げましたが、アップル株をヘッジファンドが買い増しているということが明らかになるとアップルが4%上昇して相場をけん引。NYダウは+332ドルの2万4,262ドルと大幅高となりました。シカゴの日経先物は±0円の2万2,470円でした。

 

今週は、週末に国内で決算のピークを迎えるため、それまでは上値重い展開

 連休明けの今週は、11日(金)に2018年3月期決算発表で600社以上の開示でピークを迎えるため、それまでは機関投資家は動きにくく好決算発表の個別銘柄が買われる相場となるため、日経平均の指数は方向感なく上値の重い展開が想定されます。これまでは為替の円安基調と米国経済の好調に引っ張られてきたところがありますが6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での金利引き上げへの思惑もあり、日米金利差拡大からの円安基調も想定されます。しかし、金利の上昇は米国株式の下落要因となるので、一方的に円安を歓迎する状況とはいえません。

 さらに米中貿易摩擦が落ち着いていたかのように見えましたが、先週の4日の公式交渉で対中赤字削減を2,000億ドル(約22兆円)とこれまでの倍の要求をしたことで貿易摩擦再燃となるかもしれません。そうなると日本に対する貿易赤字削減は日本にも要求される可能性があるため円安はそれほど進まず、ある時点から円高へ転換することも考えられます。
5月7日は、朝方は先週末の米国株高を受けて+40円の2万2,513円と小高く始まりましたが、円高が重しで先物主導でマイナスに転換し、一時▲125円の2万2,350円まで下落しました。しかし、後場になると買いが先行し、円の一服と日銀のETF(上場投資信託)買い観測もあったことで下げ幅を縮小。大引け間際には再度プラスとなる場面もありましたが、▲5円の2万2,467円で引けました。週末に決算のピークを控え上にも下にも行きにくい状況となっています。

 

(指標)日経平均

先週の予測

 ゴールデンウイークの谷間で、5月1日(火)と2日(水)の2日間の営業しかなく、方向感のない相場ながら地政学的リスクが後退しており、2万2,500円のフシを試す動きになりそうだとしました。

結果

 1日(火)は、先物主導で一時+56円まで上昇。終値は+40円の2万2,508円と2月5日以来の高値水準となり、3カ月ぶりに2万2,500円台を回復。しかし、翌日の2日(水)は後半の連休を控えて持ち高調整の売りもあって▲35円の2万2,472円と4日ぶりの反落となりました。

今週の予測

 ゴールデンウイーク明けの今週は、チャート上は2月27日の戻り高値2万2,502円や一目均衡表の雲の上限2万2,533円、チャートの2万2,553円が意識されるところですが、週末に国内決算のピークを迎え、米中貿易摩擦の再燃の可能性もあるところから目先は2万2,500円台を戻していくのは難しく2万2,100~2万2,500円のレンジ内での動きが基本となりそうです。

(指標)NYダウ

先週の予測

 堅調な決算発表が継続すれば戻りを試すものの、1~2日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で6月利上げの可能性がでてくると上値は重く、強弱感が対立する相場を想定しました。

結果

 好決算を受けて大きく上昇するものの金利上昇と6月利上げへの思惑から下落というように大きな上下動となりました。5月3日(木)には米中貿易摩擦懸念から一時▲393ドルの2万3,531ドルまで売られましたが、週末の5月4日(金)には、5月雇用統計は強弱マチマチながらアップルが大幅上昇となって相場をけん引し、+332ドルの2万4,262ドルで引けました。

今週の予測

 6月利上げの思惑が高まるのか後退するのかによって長期金利の上昇も左右されることになり、株価も影響を受けることになります。さらに先週の貿易摩擦に関する交渉で、赤字の削減額を従来の2倍の2,000億ドルの要求となったことで貿易摩擦が長期化し、株式市場にとっては上値を重くするものとなります。当面は米中貿易摩擦の状況を見ながらの相場となりそうです。2万3,500~25,000ドルのレンジ内でのもみあいを想定。

 

(指標)ドル/円

先週の予測

 引き続き、長期金利の上昇を手がかりに日米金利差拡大からドル買いが継続するものの目先は110円は大きなフシとなるとしました。

結果

 週半ばまでは、日米金利差拡大からドルが買われ、5月2日(水)には1ドル=110.04円まで上昇し、109.92円で引けました。その後は中国との貿易摩擦懸念でドルが売られ5月4日(金)は108.65円まで下げて引けは109.09円でした。

今週の予測

 引き続き、米国の景気は堅調な状況のため6月利上げの思惑もでてきており、日米金利差からドルが堅調な動きとなりそうです。その半面、4日の貿易摩擦をめぐる米中公式交渉で対中赤字の削減要求を従来の1,000億ドルから2,000億ドルに上積みしたことで貿易摩擦は長期化の様相となり、こちらはドル売り圧力となります。ドルは底堅いものの目先、上値は110円がフシとなります。108~110円のレンジを想定。