セルフメディケーション税制の注意点
医療費控除との併用不可
セルフメディケーション税制は「医療費控除の特例」であるため、医療費控除との併用はできません。どちらも申告できる年は、控除がより大きくなるほうで確定申告をしましょう。
※「医療費控除」は、実際に支払った医療費の総額から保険金などで補てんされる金額と10万円を差し引いた額を、上限200万円まで所得控除してくれるという制度です。不妊治療や歯の矯正など、多額の医療費がかかった年は利用するといいですね。
どちらがおトクになるかを次の例で考えてみます。
セルフメディケーション税制の控除額 | 医療費控除の控除額 | どちらがおトク? | |
---|---|---|---|
それぞれ年間10万円 | 8万8,000円 | 0円 | セルフメディケーション税制申告 |
それぞれ年間20万円 | 8万8,000円 | 10万円 | 医療費控除申告 |
集めたレシートは確定申告時に添付提出不要
実は、平成29年度分からの医療費控除は、「医療費控除の明細書」を確定申告の際に添付することで、領収書(レシート)の提出が不要になっています。セルフメディケーション税制は医療費控除の特例のため、こちらも明細書添付で申告します。ただし双方とも、領収書は5年間自宅保存が義務付けられています。
※なお、平成29年分から平成31年分までの確定申告に関しては、従来の医療費領収書を添付する方法でも申告できます。「今までの申告書の方が作りやすいわ~」と言う方は、しばらくは従来型の申告が可能です。
手元のレシートをひとまず確認
「セルフメディケーション税制」と「医療費控除」、どちらも支払いを証明する領収書(レシート)を保管しておく必要があります。また、セルフメディケーション税制は、「一定の取組」を行った証明書類も必要です。昨年のレシートと健康診断通知結果が残っていれば、確定申告に間に合う可能性がありますので、確認してみてください。
1年間にかかる医療費はわからないもの。日頃から医療に関わる領収書(レシート)類は保管して、翌年3月の申告時に税制優遇を受け、支払いすぎた費用を取り戻しましょう。