先週は、トランプ会見で円高進行となり、一時19,100円割れ

先週は、1月20日(金)のトランプ次期大統領の就任式を前にした11日(水)の記者会見を控え様子見となるとしました。結果的には、利益確定売り優勢の中で11日(水)のトランプ会見は、アメリカの利益を最優先する一方で、投資家が期待する具体的な経済政策に言及がなかったことから、ドル売り・円買いが進み日経平均は一時19,100円を割り込む動きとなりました。

3連休明けの10日(火)の日本市場は、前場は欧米株安や原油安を受けて為替が1ドル=115円台前半となり、日経平均は▼152円の19,301円と3日続落となりました。11日(水)は、トランプ会見を控え様子見ムードの中で、△63円で19,364円と小反発しました。引け後の注目のトランプ会見は、中国、日本、メキシコなどを貿易赤字の原因だと指摘し、アメリカの利益最優先を主張する一方で、投資家が期待していた経済対策にはふれなかったことで、ドルが114円まで売られました。アメリカ株式は原油価格が大幅反発したことや景気拡大期待から3指標そろって反発となりました。しかし12日(木)の日本市場は、為替が114円台まで進行したことで輸出企業への業績が懸念され、一時▼295円の19,069円まで下落し、終値は▼229円の19,134円と反落し、25日移動平均線を下回って引けました。週末の13日(金)は、円高一服や前日の大幅下落の反動で自律反発の流れが続き△152円の19,287円と反発して引けました。先週は前週比で▼167円程度ですので、もみあいの水準と思われます。

13日(金)のアメリカ市場では、3指標はマチマチの動きとなりました。NYダウは大手銀行の決算や経済指標が総じて良好だったことで、一時△61ドルの19,952ドルと2万ドルを伺う展開となりましたが、そこから上げ幅を縮小し▼5ドルの19,885ドルと小幅続落、しかしナスダックは△26Pの5,574Pと史上最高値更新でした。シカゴの日経先物は、為替が1ドル=114円の水準のため大きく反発できず△50円の19,300円となっていました。

 

トランプ発言を前提の投資は要注意

先週は、1ドル=117.53円から113.76円まで円高が進み、日経平均は一時19,069円まで下げました。トランプ会見で為替については何もふれていないのに急激な円高となりました。会見の内容は市場の想定内でしたが投資家が期待していた景気対策や減税について言及がなかったという理由からの下げということで説明されています。このような結果をみると、トランプ氏の言動を予想して投資行動をとると失敗する確率が高くなることを示していると考えられます。

投資家は、会見でトランプ氏が財政出動による景気対策や減税の話をすると思っており、そうなると市場は「アメリカの景気は良くなる」と考え、それは「長期金利が上昇する」ことになると考えます。さらに「長期金利が上昇すれば、ドル買い・円売りになる」と連想しますので、ドル買いのポジションが高まっていたと思われます。しかし会見ではトランプ氏は、経済政策の話しを全くしませんでした。ドルが上昇して円が下がるというポジションを持っていた投資家は、ドルを売って円を買い戻し、さらにこの流れにのって円買い・ドル売りの投資家が加わって、円が114円台まで進行しました。(12日(木)には一時1ドル=113.78円をつけました)

アメリカの好調な経済指標を受けて、いったんこの流れが止まり115円台まで戻しましたが、13日(金)の引け後は114.52円となっています。トランプ氏の発言を聞いている限り、言ったことがコロコロ変わるので、トランプ発言によってトレンドができたと思い、投資スタンスを決めて投資するとリスクが大きくなると考えられます。

 

今週は、20日(金)の就任式までは様子見が基本

20日(金)のトランプ次期大統領の就任式を控え、もう一波乱を警戒しておく必要があるかもしれません。11日(水)の記者会見と同様に、もし就任式でも経済政策の具体策が示されなければ、失望売りを呼ぶ可能性があります。12日(木)の会見を受けて円高が進み、日経平均は25日移動平均線をアッサリ下回った(ETFのサポートがなかったので買い期待弱い)ので、もし再び25日移動平均線を切って19,000円を下回るような場合は、18,500~18,800円が目先の下値ゾーンとなり買い時となると思われます。

柴田罫線では、先週引線の終値で19,125円を切って引けると短期の売転換となって、一段安が想定されるところでしたが、12日(木)は、終値19,134円とかろうじて19,125円を守り、13日(金)は、19,287円と自律反発しました。

今週も下落となって終値で19,125円を切ると売転換となり、下値を試す可能性があります。為替をみると柴田罫線では、すでに1月5日(木)に115.7円でドルの売転換となり、1月12日(目)には113.78円まで売られていますので、為替の円安への戻りは弱いことが想定され、再度円高となれば日経平均も下値を試すことになりそうです。

1月16日(月)は、▼68円の19,219円で寄り付き、前場は▼175円の19,111円となり、後場になると▼226円の19,061円と下げ幅を拡大し終値は安値引けの▼192円の19,095円で引けました。

19,125円を割って引けましたので短期の売転換出現となりました。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、11日(水)にトランプ次期大統領の演説、12日(木)のイエレン議長の講演、週後半からは10-12月期の決算発表シーズンに入るため様子見になるとしました。但し、記者会見の中でトランプ次期大統領による為替に関する発言次第では乱高下する可能性があるとしました。柴田罫線では、終値で19,125円を切って引けると短期の売転換になるともしました。

3連休明けの日経平均は、前日の欧米市場の軟調な動きを受けて売り先行で始まり、その後はトランプ会見を前に様子見となりました。トランプ会見ではアメリカの利益を最優先する話しの一方で、投資家が期待した経済政策の言及が一切なかったことにより円高が進み、1月12日(木)は失望売りで▼229円の19,134円となりました。終値で19,125円を切って引けると柴田罫線では短期の売転換になるとしましたが、かろうじて切りませんでした。週末は下げすぎの反動で△152円の19,287円となっています。

今週も、20日(金)のトランプ次期大統領の就任式を控えて様子見が基本となります。為替をみると柴田罫線では1月5日(木)の115.7円ですでに売転換しており、1月12日(木)の113.78円も下値を確認する動きとなっています。そのため為替が再び円高にふれて日経平均が引線の終値で19,125円を切ってくると、日経平均も一段安の可能性があります。

1月16日(月)は、▼68円の19,219円で寄り付き、前場は▼175円の19,111円でした。後場になると▼226円の19,061円と下げ幅を広げ終値は▼192円の19,095円で引けました。19,125円を割って引けましたので短期の売転換出現となりました。

日経平均

 

 

(指標)NYダウ

先週は、11日(水)にトランプ会見、12日(木)にイエレン議長講演、週後半は10-12月期の決算発表シーズンに入るため様子見となるとしました。

結局、NYダウは1週間を通じて安値(1月12日(木)の19,770ドル)、高値(1月11日(水)の19,973ドル)と狭いレンジのもみあいとなり、2万ドルに接近するものの突破はできませんでした。しかしハイテク株中心のナスダックは史上最高値の更新が続いています。

今週も、1月20日(金)のトランプ次期大統領の就任式を控え、基本は様子見となります。10-12月期の決算が本格化し個別銘柄中心の相場となりそうです。大手金融機関は好決算が予想されています。

NYダウ

 

 

(指標)ドル/円

先週は、トランプ氏の記者会見を控え、特に為替に関して発言があるかに注目としました。内容によっては相場の乱高下を想定しました。

結果的には、トランプ会見では経済政策に対する言及は一切ありませんでした。このことが経済政策の言及をあることを前提にドルを買っていた投資家の失望売りとなって、1月12日(木)には一時1ドル=113.78円までドルが売られました。週末の1月13日(金)にはアメリカの経済指標を好感して115円台を回復するものの、再びドルが売られ114.52円で引けました。

柴田罫線では、すでに1月5日(木)の115.7円で売転換となっており、そのため下値を試す動きとなって1月12日(木)に113.78円まで下げています。この形をみると12月15日(木)の118.66円を上回るのは時間がかかりそうです。

今週も、1月20日(金)の就任式までは、ドル高を修正する動きが続く可能性があり、113~117円のレンジの中で115円前後のもみあいとなることを想定しています。

景気刺激策が期待される反面、保護主義的な通商政策がありますので強弱の入り交じった相場となりそうです。

ドル/円