週前半は、利益確定売り優勢となるがOPECの減産合意受け、年初来高値更新

先週の予測では、今週は30日(水)のOPEC総会や週末の11月雇用統計を控え、テクニカル的に短期の過熱感もあり前週末に年初来高値を更新したことによって、利益確定売り優勢となる可能性があるとしました。又、OPEC総会で原油減産合意ができなければ、いったんの調整も考えられるともしました。 結果的に、週前半は利益確定売り優勢となりましたが30日(水)のOPEC総会でサウジアラビアとイランが土壇場で歩み寄り、8年ぶりの減産合意となったことで原油価格が9%上昇し、ドルも1ドル=112円台から114円台後半まで買われ12月1日(木)の日経平均は△437円の18,746円まで上昇し、終値は△204円の18,513円と約11カ月ぶりに年初来高値更新となりました。しかし週末は4日(日)のイタリアでの国民投票を控え、利益確定売りから▼87円の18,426円で引けました。

週始めは前週末のアメリカで、OPEC総会での減産合意への期待の後退や、10月卸売在庫が予想外の減少となったことでドル高が一段落し、これを受けて28日(月)は8日ぶりの反落となり、一時▼158円の18,222円まで下げましたが、▼23円の18,356円の小反落でした。後場からの久しぶりのETF買い観測がサポートとなりました。29日(火)もアメリカ市場で株安と111円台までの円高となったことで▼98円の18,258円まで下げましたが、日銀のETF買い期待で▼49円の18,307円の小幅続落でした。30日(水)は、引け後のOPEC総会を控えて前日の終値をはさんだもみあいとなり△1円の18,308円と3日ぶりの小反発となりました。注目のOPEC総会では、前日には事前協議の難航が伝えられ原油価格が下落していたことで、どうなることかと思われていましたが、土壇場でサウジアラビアとイランが歩み寄り8年ぶりの減産合意が成立しました。これを受けて原油価格は、この日の安値45.22ドルから49.9ドルまで急伸し、ドルも112.06円から114.54円まで買われ大幅な円安進行となりました。これを受けて12月1日(木)の日経平均は、前場は△437円の18,746円まで上昇し、今年の大発会の18,450円を上回り、年初来高値更新となりました。しかし後場には円安一服となったことで上げ幅を縮小し△204円の18,513円で引けました。

週末の2日(金)は、円安一服や引け後の11月雇用統計、4日のイタリア国民投票を控え持ち高調整の動きとなって▼87円の18,426円で週の大引けとなりました。

2日(金)のアメリカ市場では、11月雇用統計は、就業者数はやや予想を下回ったものの、失業率は4.6%と9年ぶりの低水準となったことで、FOMCでの利上げの確実性が高まりました。ただし為替は賃金が予想を下回ったことでドルが売られ1ドル=113.53円で引け、シカゴの日経先物は△35円の18,365円となっていました。

 

今週は、イタリアの国民投票の結果を受け、押し目買いの可能性

今週は、4日(日)のイタリア国民投票の結果を受けての相場の動きとなります。結果的にイタリアの国民投票は改憲反対派が多数となり、改憲派のレンツィ首相は敗北を認め辞任を表明しました。政局混乱や大手銀行の不良債権問題が懸念されることで多少リスク回避の円高もあって売り先行となり、一時▼198円の18,227円まで下げて▼151円の18,274円で引けました。思ったよりも下値は限定的でしたが、週末の12月SQに絡んだ面が強いので、引け後の欧米市場の反応によってはSQ日の週、特有の売り仕掛けが出て大きく下げることも想定しておく必要があります。短期売買の人にとっては思わぬ買い時となる場面があるかもしれません。今週はメジャーSQを控えており、チャート上は、上値は終値での年初来高値水準の18,500円台、下値は17,800円台というところです。下値は堅いものの悪材料の場合はメジャーSQを控えていますので一時的に想定よりも大きく下げる可能性があり、その場合は買い時となりそうです。

 

 

 

(指標)日経平均

先週は、ほとんどのテクニカル指標が過熱感を示しているため円安一服する場面あれば、いったん調整になってもおかしくない局面にはいっているとしました。日経平均は終値ベースで年初来高値を更新しているので11月30日のOPEC総会で減産合意ができなければ、ドル売り・円買いとなって調整の可能性があるとしました。

結果的には週半ばまでは小安い状況が続きましたが11月30日(水)のOPEC総会では土壇場でサウジアラビアとイランの合意が成立したことで、原油価格は9%の急伸となり、為替も114円台後半の円安進行となったことで、一時18,746円まで上昇しましたが終値は△204円の18,513円でした。 週末は▼87円の18,426円と反落しました。

12月5日(月)、イタリアの国民投票で憲法改正反対派が多数を占め改革派のレンツィ首相が辞任を表明しました。これを受けて日経平均は一時▼198円の18,227円まで下げて終値は▼151円の18,274円となりました。それほど大きく下げませんでしたが、引け後の欧米株式の反応をみる必要があります。今週はメジャーSQを控えており、先物主導で一時的に大きく下げる可能性もあります。そうなると短期売買の人にとっては買い時となりそうです。

日経平均

 

 

(指標)NYダウ

先週は、11月30日(水)にOPEC総会で減産合意できるかどうか、又、週末の11月雇用統計、4日(日)にはイタリアの国民投票を控え基本的に様子見としました。

結果的には、高値圏でのもみあいとなり11月30日(水)のOPEC総会での原油価格の上昇を受け、NYダウは19,225ドルと史上最高値を更新しました。しかし、その後は上値重く週末の雇用統計は堅調だったものの、4日(日)のイタリアの国民投票を控えポジション調整から▼21ドルの19,170ドルで引けました。

今週は、イタリアの国民投票が注視されますが反対となってレンツィ首相辞任となり、いったん下落となると思われます。13日(火)~14日(水)のFOMCでの利上げを控えて株価の上値は重たくなるところです。一方で経済指標が好調であればアメリカの経済の拡大期待から株価の上昇につながりますので高値圏でのもみあいとなりそうです。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、12月13日(火)~14日(水)のFOMCでの利上げが実施されるというのが大勢の見方であり、そのため週末の11月雇用統計を含めた経済指標が好調であれば利上げの確実性がさらに高まり、それを見込んでドル買い・円売り基調が続くことになるとしました。但し、11月30日(水)のOPEC総会での減産合意ができなければ原油安、ドル安となるともしました。

前週末に、OPEC総会での減産合意の不透明感や経済指標が予想を下回ったことでドル高が一服となって111円台の円高となり、その流れから週前半は112円台での動きでした。しかし11月30日(水)のOPEC総会で減産合意となり、原油が急伸したことでドルも114円台後半まで買われました。12月1日(木)はISM製造業景況指数が予想を上回ったことで10年債利回りが昨年6月以来の高値水準となり、ドルは114.83円まで買われました。週末はイタリア国民投票を控えていることで11月雇用統計は好調だったものの113.53円で引けました。

今週は12月13日(火)~14日(水)のFOMCでの1年ぶりの利上げ決定の見通しが強いことで、ドルは底堅い動きが想定されます。中期的にみると、さらに2017年も利上げ継続の見通しが大きいため日米金利差を意識したドル買い・円売りの基調は続くと思われます。トランプ氏の政策のインフラ投資、大型減税が実施すればアメリカの経済成長は続くことになりドル高要因ですが、保護主義的な発言も多いのでドルが売られる場面もでてくることになります。原油価格も減産合意が守られればドル高要因となります。

ドル/円