先週は、週始め安値をつけ為替の円安へのふれで16,800円台を回復するが、すぐに反落

先週は、週末にメジャーSQを控え先物主導の荒い動きを想定しました。結果的には、目先の底値を確認したあと、週半ばまでは欧米株高、円安へのふれや原油価格の1バレル=50ドル台乗せを好感し、16,800円台を回復、しかし、ここからの上値は重く円安一服となると利益確定売りに反落となって引けました。

チャートからは、メジャーSQを控え先物主導で目先の下値は価格帯別出来高の大きい16,100~16,200円を下値ゾーンに目先底打ち後の戻りにはいる場合は、再び価格帯別出来高が大きい16,800~17,000円が上値抵抗ゾーンになるとしました。6日(月)は、前週末の5月雇用統計の悪化を受けて、シカゴの日経先物(▼330円の16,330円)にサヤ寄せする形で始まり、▼319円の16,322円をつけて、下げ幅を縮小し先物主導で▼62円の16,580円となりました。7日(火)は、欧米株高とドルの反発(円安)を受け、△95円の16,675円、8日(水)は、原油の1バレル=50ドル台と年初来高値を更新したことで、薄商いの中を先物主導で△155円の16,830円の高値引けとなりました。しかし、9日(木)は為替が円高にふれると戻り売りと利益確定売りで▼162円の16,668円と反落し、10日(金)のSQ日も続落となり、一時▼172円の16,496円まで下げて終値は▼67円の16,601円と下げ幅を縮小しましたが、6月SQ値16,639円を下回って引けました。

日本市場の引け後の10日(金)のアメリカ市場では、イギリスのEU離脱懸念からヨーロッパ株式が大幅下落し、原油価格も大幅下落となったことでNYダウは▼119ドルの17,865ドルと続落し、為替も1ドル=106円台の円高となったことでシカゴ日経先物は▼240円の16,290円となりました。

 

今週は来週のイギリスの国民投票を前にリスク回避の流れ続く

今週は、14日(火)~15日(水)にFOMC、15日(水)~16日(木)に日銀金融政策決定会合があるものの、来週の23日(木)にイギリスのEUから離脱するかどうかを問う国民投票を控え、様子見気分からリスク回避の流れが続くものと思われます。FOMCでの6月利上げ見送りは、ほぼ織り込みが進み、日銀金融政策決定会合での金融政策の現状維持の見方が多く、そうなると、この日米金融イベントの通過後は、イギリスの国民投票の不透明さから、一段とリスク回避の流れが強まる可能性があります。それは、アメリカの利上げ見送りでドル売りの流れとなり、日銀の金融政策の現状維持やイギリスの国民投票の不透明さからリスク回避の円高となれば日経平均は売られる展開となるからです。

日足チャートをみると、2月12日の14,865円を安値とし、4月25日の17,613円を高値とするボックスの中で4月8日の15,471円を安値の基点とし、4月25日の17,613円を高値の基点とする三角保ち合いとなっており、それが煮詰まって上か下かへ放れるタイミングへきています。先週末のシカゴCMEの▼240円の16,290円をみると下放れの可能性が高くなっていると思われます。柴田罫線では16,100円(確実には5月2日のザラ場安値15,975円)を終値で切ってくると下放れとなります。目先的には、先週も述べたように価格帯出来高が膨らんでいる16,100~16,200円を守れるかどうかとなります。このゾーンを切ると15,975円を試す形となり、ここを突破すれば15,700円台、その下は4月8日のザラ場安値15,471円となります。もし、23日のイギリスの国民投票でEU離脱(イギリスの先週の事前調査の1つでは離脱派が多い)ともなれば、今年の世界経済の中で大きなリスク要因ですので、一時的に世界同時株安の可能性もあります。今回のイベントは政治によってコントロールできない国民投票という形ですので、どうなるかわかりません。わからない時は投資に手を出さないということです。もし離脱となって急落すれば今年最高の買い場が到来することになると思われます。

6月13日(月)は、イギリスのEU離脱懸念から欧米株安、円高となっていたのを受け、シカゴ日経先物の16,290円にサヤ寄せする形で▼282円の16,319円で寄り付き、前場は▼505円の16,095円まで下げて▼432円の16,168円で引けました。後場になってもリスク回避の流れが続き、引けにかけてジリ安となって▼582円の16,019円の安値引けとなりました。上述した価格帯別出来高16,100~16,200円をアッサリ切って引けました。バリュエーション面からは16,000円水準は割安感はあるものの、商い薄く買い手不足の中をヘッジファンドがイギリスのEU離脱問題を材料にして下げをあおっており、海外の株式次第では一段安も想定されるようになりました。

 

 

(指標)日経平均

今週は、週始めはシカゴ日経先物の16,330円にサヤ寄せし、下値をさぐる展開になるとし目先の下値ポイントを16,100~16,200円としました。又、週末にSQを控え荒い動きとなる可能性も述べました。

結果的には、為替が円安にふれたことで、安値は6月6日(月)の16,322円となり、反発に転じて6月8日(水)には、薄商いの中を先物主導で△155円の16,830円となりました。しかし、すぐに反落となり6月9日(木)は▼162円の16,668円、6月10日(金)は▼67円の16,601円でした。

チャートをみると、2月12日の14,865円の安値、4月25日の17,613円の高値の中で上下動を繰り返し三角保ち合い(D)となって、そろそろ上か下へ振れる形となってきました。

今週は、先週末のアメリカ市場でシカゴ日経先物が大証比▼240円の16,290円となっていることで、下放れとなって16,100円を試す動きとなりそうです。今週FOMCと日銀金融政策決定会合を控えていますが、来週の23日のイギリスの国民投票を控えているいため材料になりにくく、むしろ国民投票へのリスク回避からの下値模索となる可能性があります。16,100円→15,975円→15,700円が下値抵抗ラインとなります。

6月13日(月)は、イギリスのEU離脱懸念で欧米株安、円高、原油安となったことで▼282円の16,319円で寄り付き、その後もリスク回避の流れから終値は▼582円の16,019円で引けました。チャートでは三角保ち合いをわずかに切ってきています。5月2日の15,975円を終値で切ると15,700円台を試すことになります。

日経平均

 

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、前週末の雇用統計の悪化を受けて利上げの警戒感はなくなるものの、雇用への不安から戻りは弱くイギリスの国民投票を前に上値は重いとしました。

結果的には、6月利上げの警戒感が後退したことで、戻りを試す動きが優先し週始めから反発して始まり、6月8日(水)には18,016ドルと1カ月ぶりに18,000ドル台を回復しました。しかし、その後イギリスの離脱リスクを織り込む動きとなり、2日連続安となって17,865ドルで引けました。

今週は、6月14~15日にFOMCがありますが、すでに6月利上げ見送り濃厚で織り込んだ上昇となっているため、イギリスのEU離脱を問うも国民投票の結果待ちとなり、リスクを回避するために利益確定売り優先となる可能性が高いと思われます。下げた場合に、まず17,500ドルを守れるかどうかがポイントとなります。

NYダウ

 

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、5月の雇用統計の悪化を受けて6月利上げがなくなったものの、年内利上げはあるのかに関心は移るとし、イエレン議長の講演に注目としました。ドルが戻しても6月23日にイギリスの国民投票が控えていることで、リスク回避の流れからドルは弱含む(円高)になるとしました。105~108円のレンジを想定。

結果的に、5月の雇用統計が悪化して6月利上げ観測は後退したものの、6月のイエレン議長の講演で「条件合えば利上げが適切になる可能性がある」としたことで、ドルは107.90円まで買われました。しかし、日本の1-3月期GDPが上方修正されたことで日銀の緩和期待が後退し、イギリスの国民投票へのリスク回避の円買いもあり、106円台後半の円高で引けました。

今週は、FOMCや日銀金融政策決定会合を控えているものの、来週にイギリスのEU離脱問題を問う国民投票があることから、日米金融政策の据え置きとなって失望売りから、ややドル安・円高の流れが続く可能性が高いと思われます。105~107円のレンジを想定。

ドル/円