先週は、日経平均は2万円台に回復して、6連騰で引ける

先週は、25日移動平均線を下値に2万円を意識した動きになると想定しました。心配してきた5月相場は弱いという経験則も、今回は2015年3月期の決算発表がほぼ終わり、PERが16倍台に低下し、配当利回りも上昇に転じているため割高感が無くなり、下値は限定的になっていると予測しました。

結局、4月下旬からの調整局面もゴールデンウィーク明けの7日(木)に19,257円の安値をつけると、良好な需給もあって下値を切り上げる動きとなりました。海外でギリシャ問題から金利が上昇する場面もありましたが、それが落ち着くと世界的株高という環境になり、先週の日経平均は18日(月)に△157円の19,890円と25日移動平均線を軽くクリアーすると、19日(火)は△136円の20,026円と4月2日以来の2万円台を回復しました。更に、アメリカで強い経済指標を受けて景気の先行き見通しが明るくなったとしてドルが買われ、一気に120円台後半の円安となったことで、20日(水)は△170円の20,196円と3日連続で3ケタの上昇となりました。その後、短期の急騰で高値警戒感が出るものの、押し目買い強く21日(木)は△6円の20,202円、22日(金)は△61円の20,264円と6日連続の上昇で引けました。

22日(金)の日本市場の引け後のアメリカでは、4月の消費者物価指数が予想を上回り、イエレン議長が景気の改善が続けば年内の利上げを行うことが適当であるという発言をしたことで、早期利上げ観測が高まり、NYダウは▼53ドルの18,232ドルと反落しました。しかし、為替が一時1ドル=151.57円と3月中旬以来2カ月ぶりの円安更新となったことで、シカゴの日経先物は20,365円となっていました。

 

今週は、アメリカの経済指標を横目に20,000~20,500円の高値圏でのもみあい

今週も需給関係が良好で先高観は強いものの、短期の過熱感や高値警戒感もあり、20,500円水準が目先の上値ポイントとなります。チャート上は、当面は遅かれ早かれ2000年4月12日の20,833円を目指す流れと思われます。但し、先物や年金マネー主導の相場ですので、今週から来週にかけてはアメリカの経済指標の動きとそれに連動する為替相場が注目となります。先週末にFRBのイエレン議長が経済指標の改善が続けば年内の利上げを明言しており、再来週の5月雇用統計と今週のいくつかの経済指標の結果が気になるところです。経済指標がよければ早期利上げ観測が高まってドルが買われ、日米金利差拡大から一段の円安となり、日本の株式市場にはプラスになります。一方、今のところアメリカでは経済指標の改善はアメリカ景気の回復としてドル高・株高となっていますが、このドル高が一定の高さを超えると金利上昇となって株が売られることになります。その場合、このまま日本株が上昇し続けることができるかどうかは難しいところです。

但し、日経平均の上昇が止まれば出遅れ株の個別物色という可能性が出て、6月には政府による成長戦略への期待も高まりやすいので、テーマ(自動運転、次世代医療、女性の活躍、地方創生など)に沿った銘柄の物色が出てくるかもしれません。

25日(月)は、昨日の欧米株式は軟調ながら為替が3月中旬以来2カ月ぶりの円安水準になっていることで輸出関連株中心に買われ、△149円の20,413円と7日続伸で引けました。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、欧米の長期金利上昇懸念が後退し、アメリカでは冴えない経済指標を受けて早期利上げ観測が後退し、世界的な金融緩和継続期待から世界同時株高となり、日経平均も25日移動平均線を突破して2万円のフシを試す動きを想定しました。

結果的には、週明けの18日(月)は△157円の19,890円となって25日移動平均線を突破し、19日(火)は前日のNYダウ、S&Pの史上最高値を受けて△136円の20,026円と2万円台を回復し、更に20日(水)は前日のアメリカで為替が1ドル=120円台後半のドル高・円安となったことで△170円の20,196円と3日連続の3ケタ上昇となりました。21日(木)は20,320円まで上昇するものの、急ピッチの上昇に高値警戒感も出て上げ幅を縮小し、△6円の20,202円となりましたが、連日の高値更新で引けました。週末22日(金)は、先高期待から△61円の20,264円と6日連続で引けました。

今週は、先高期待と目先の高値警戒感との綱引きとなり、2万円台での値固めが続く可能性が高いと考えられます。このまま上昇してもテクニカル的過熱感が一部にあり、チャート上も20,500円水準がフシとなります。今週から来週にかけては、アメリカ株式と為替に左右される動きとなることも考えられます。20,000~20,500円内での動きが想定されます。

週明け25日(月)は、為替賀3月中旬以来の1ドル=121円台後半の円安となっていることで輸出関連株中心に買われ、△149円の20,413円で引けました。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、4月住宅着工、4月中古住宅販売など経済指標の発表が予定されており、予想を大きく上回る結果とならない限り早期利上げ観測は後退し、株価は堅調を維持するとしました。

結果的に、週明けの18日(月)は5月住宅指数が予想を下回ったことで早期利上げ観測が後退し、△26ドルの18,298ドルと史上最高値を更新、19日(火)は4月住宅着工件数が予想を上回ったことで利上げ観測が高まって、ナスダックとS&Pは小反落するものの、ダウは△13ドルの18,312ドルとなりました。20日(水)はFOMC議事録公開で大半が6月利上げの可能性が低いことを示唆したことで一時18,350ドルまで上昇しましたが、▼26ドルの18,285ドルと小反落となりました。21日(木)は四半期決算の発表もあらかた終わり、狭いレンジでのもみあいとなり△0.3ドルの18,285ドルとなりました。週末22日(金)は4月消費者物価指数が予想を上回ったことで再び早期利上げ観測が台頭し、▼53ドルの18,232ドルで引けました。

今週は、再来週に5月雇用統計がありますが、多くの経済指標の発表があり、結果次第では相場に影響を与えることになります。その背景は先週末の22日(金)にイエレン議長が景気の改善が続けば年内の利上げを行うことが適当と発言したことで経済指標に注目が集まることになります。結果によって高値圏での上下動ということになりそうです。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、材料に乏しく狭いレンジでの動きを想定し、利上げ観測が後退していることで118.5~120円のレンジの動きとしました。ところが、19日(火)は4月住宅着工件数が予想を大きく上回る113.5万件となったことで景気の先行き見通しが明るくなり、利上げ観測が高まって120円台後半までドルが買われ、同時にNYダウも18,312ドルの史上最高値更新となりました。20日(水)は、FOMC議事録公開で大半が6月利上げの可能性が低いことを示唆したものの景気回復期待で金利が上昇し、121.48円のドル高・円安となりました。更に、週末22日(金)は4月消費者物価指数が予想を上回ったことでドルが買われ、121.57円と3月中旬以来2カ月ぶりの円安となっていました。

今週も引き続いて経済指標の結果に左右されることになります。経済指標の改善が続けばアメリカの景気回復への期待からドルが買われ、3月10日の122.03円を終値で超えるとドルの一段高(124円水準)となります。そうでなければ120~122円のレンジでのもみあいが続くことになります。

ドル/円