先週は2万円突破できず、もみあったあと週末は一段安へ

先週の予測では、日経平均は4月10日(金)のSQ値20,008円を突破できなければ、2万円前後を上値にして高値圏でのもみあいになるとしました。短期の大幅上昇の割りにはテクニカル的な過熱感がないところから、2万円は単なる通過点という強気の見方もあるが、この2万円の一時的な回復は全体相場が買われての上昇ではなく、先物主導で限られた指数に影響を及ぼす銘柄になるもののため、実体の伴わないちぐはぐな回復だとしました。

結局、13日(月)の前場に高寄りして19,975円の高値をつけて利益確定売りとなって、大引けは▼2円の19,905円となりました。その後、15日(水)まではNYダウが堅調だったものの、為替が円高方向の動きとなったことで、先高観と利益確定売りで19,900円を挟んだもみあいが続きました。16日(木)になると、為替の118円台の円高を嫌気し19,742円まで下げる場面がありましたが、円高が一服すると押し目買いで△16円の19,885円と反発しました。しかし、週末の17日(金)は、アメリカの景気先行き懸念や早期利上げ観測の後退から当面は円安一服が意識され、又週末のポジションの整理売りの動きも加わって▼232円の19,652円の大幅下落となりました。

先週は、NYダウが柴田罫線での三角保ち合いの上放れ(終値で18,140ドルを突破)すれば日経平均も2万円にのせて高値を更新する可能性があるとしましたが、そのNYダウは18,000ドル台を回復して、16日(木)には18,169ドルまで上昇するものの終値ベースでは前日の18,112ドルが高値となり、週末の17日(金)になると、ギリシャの破綻懸念から欧米株式が急落し、この流れを受けてNYダウは中国のカラ売り解禁も加わったことで▼279ドルの17,826ドルと逆に三角保ち合いの下放れの可能性が出てきました。

今週は本格決算を控え、神経質な展開へ

今週は、先週末にギリシャ問題が再燃し、中国市場のカラ売り規制解除など外部環境に不透明感が強く、軟調な展開が想定されます。下値では公的資金の買い支え期待で大幅な下落への懸念は少ないものの、3月期企業決算発表の本格化を控え、積極的な買いは限られそうです。

週明けは、NYダウの大幅下落の流れから25日移動平均線(17日時点19,581円)を試す可能性は高いものの、その後下値を試す動きとなるのか、それともいったん反発するのか注目するところです。

本日20日(月)は▼151円の19,501円と安寄りし、19,474円まで下げた後はすぐに25日移動平均線を回復し、プラスに転じました。しかし上値は重く、後場19,725円まで上昇後は利益確定売りに押され、▼18円の19,634円となりました。ここからの目先の大きな戻りはよほどの好材料が出ない限り限定的だと思われます。既に3月初め頃のレポートで、当面は4月上旬から中旬にかけてピークをつける可能性があり、4月末から5月にかけて調整の可能性を述べました。結局、日経平均は4月10日に20,006円の高値をつけ、トピックスは16日に年初来高値更新1,559Pとなっています。

本日の19,474円の安値は、10日の20,006円からの下げ幅を考えると、積極的に買える押し目とはいえない状況です。この水準で買っても、5月に向けて高値更新していく確率は過去の経験則からでは難しいところです。過去5年の5月の状況は、2013年の5月を除くと下落基調となっています。この2013年の5月は、2013年4月に「黒田バズーカ第1弾」が出た直後だったことで5月は上昇しましたが、特殊事情であったといえます。今回も4月30日の日銀金融政策決定会合で追加の金融緩和「黒田バズーカ第3弾」が出れば別ですが、5月の相場は下落しやすいことには注意するところです。これを考えれば、現水準の下げは押し目買いとしては浅過ぎることになりますので、新規の買いは見送りがいいかもしれません。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、10日(金)のSQ値20,008円を上回って引ければ2万円台の大台固めも想定できるが、先高期待と利益確定売りの強弱が対立して2万円を上値に高値圏のもみあいが想定されるとしました。

結局は、NYダウが堅調となって18,000ドルを回復するものの、為替が早期利上げ後退によってドル売り・円買いの流れとなり利益確定売り優勢となって、13日(月)の19,975円を高値に16日(木)までは押し目浅く19,800円台での終値を守っていましたが、週末の17日(金)は週末要因に伴うポジションの整理売りもあって▼232円の19,652円の大幅下落となりました。

今週は、先週末にギリシャ問題が再燃し欧米株式の大幅下落を受けて売り先行で始まり、25日移動平均線(17日19,638円)を試したあと、更に下値模索となるのか注目となります。下値には公的マネーの買い支え期待があるものの3月企業決算発表の本格化が迫るため、積極的に日本株を買う動きは限られ軟調な展開が続くことになりそうです。中国市場でのカラ売り規制が緩和されたことで、中国株式が調整すれば日本株の売り材料となりやすいと考えられます。

週明け20日(月)は、▼151円の19,501円と安寄りし19,474円まで下げるものの、中国市場ではカラ売り規制緩和で下げが心配されましたが、追加の金融緩和を実施したことで中国株式は上昇し、日本株も買い安心からプラスに転じました。しかし上値は重く、終値は▼18円の19,634円となりました。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、1-3月期の決算発表が材料となって史上最高値に挑戦できるかどうかとしました。基本的には好悪材料が対立し、高値圏のもみあいとなりそうです。柴田罫線では終値で18,140ドルを上回ると三角保ち合いの上放れになり、史上最高値を更新する可能性があるとしました。

先週は、3日(金)の雇用統計の結果を受けての早期利上げ観測の後退の思惑が続き、金余り相場が続くことからの上昇と原油価格が底入れしたとの見方からエネルギー株の上昇が続いてNYダウを下支えし、18,000ドル台での底堅い動きとなって、16日(木)には18,169ドルまで上昇するものの、終値ベースでは前日の18,112ドルの高値で止まりました。そして週末の17日(金)は、ギリシャの破談懸念から欧米株式の大幅反落の流れを受けて、▼279ドルの17,826ドルの大幅下落となりました。

今週は、24日のギリシャ支援を巡るユーロ圏財務相会合も材料視されますが、基本的には主要企業の1-3月期決算発表を睨んだ神経質な展開となりそうです。柴田罫線のチャートでは17662~18,140ドルの間で三角保ち合いとなっており、確実に上放れる場合は18,140ドルでしたが、下放れる場合は終値で17,662ドル(確実には17,579ドル)となります。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、雇用統計の結果を受けて早期利上げ観測が後退し、FRBの金融政策の先行き見通しが不透明になっていることで120円を挟んだもみあいを想定しました。

週前半は120円を挟んだもみあいとなっていましたが、徐々にドル売り・円高の方向が高まり119円を挟んだもみあいに移行しました。週末の17日(金)は、ギリシャ問題から欧州株式が大幅下落となり、その流れからNYダウも▼279ドルの17,826ドルとなったことで、国債利回りが低下しドルが一時118.57円まで売られ、引け値は118.93円となりました。

今週は、アメリカの経済指標が相次いで予想を下回っていることから早期利上げ観測が後退してドル売りの基調となっており、又28日に日米首脳会談を控えてドル高・円安抑制の思惑もあってドルの上値は重く118~120円のレンジでの動きを想定。

ドル/円