先週は、アメリカ株式は大幅下落となるが、日本株は下値は限定的で年初来高値更新

先週は、テクニカル的には下値を確認したことで、25日移動平均線水準(17,200円台後半)を安値に戻りを試す展開となるかどうかとし、17,500円を挟んだ上限300円を想定しました。結果的には、26日(月)に17,285円の安値をつけ28日(水)に17,850円の高値をつけて、週の終値は17,674円で引けました。上値は想定よりやや上に出て年初来高値更新となりました。

先週の株価の動きは予想外の動きをしていました。26日(月)は寄り付きで▼228円の17,285円をつけると、特別に材料もないのに下げ幅を縮小し▼43円の17,468円で引け、27日(火)は円高一服ということで△290円の17,768円と今年の高値を更新しました。28日(水)はアメリカ株安を受けて▼152円の17,615円で寄り付くと、下げ幅を縮小し17,850円まで上昇して△27円の17,795円で引けました。

ここまでの動きをみて、市場関係者の一部からは、日本株はNY離れして独自に上昇するという見方がありましたが、今年は年初のメッセージで昨年以上の官制相場になると言いましたように、日銀のETF買いや年金資金の買いが入った結果であり、日本市場が外国人買いによってしか本格上昇できないという過去の事実をみる限り、NY離れというのは一時的な結果でしかありません。

29日(木)は、前日のアメリカ株式の下落を受けて、前場こそは寄り付きの▼128円から▼21円の17,774円まで戻すものの、後場には一段安となって▼189円の17,606円となりました。週末の30日(金)は、前日のアメリカ株の大幅反発を受けて△68円の17,674円で引けました。結局は、アメリカ株式の大幅安に比較すると年金資金にサポートされ、企業の好決算ということもあって大発会につけた高値17,540円を終値で上回って引けました。

 

今週は、決算発表を受けて個別株物色へ

先週末30日(金)のアメリカ市場は、10-12月期GDP速報値が予想の+3.0%を下回る+2.6%であったことやゼロックスの大幅減益などを受け、NYダウは▼251ドルの17,164ドルの大幅反落となりました。柴田罫線では、更なる下落の形となっており、NYダウの調整が長引く可能性があります。

今週の日経平均は、アメリカ景気への期待がやや後退したことで上値は重く、かと言って下値では先週同様に日銀のETFや年金資金の買いが期待されるため、本格化している2014年4-12月期決算発表を手掛かりに個別物色の動きが強まりそうです。特に4日のトヨタ自動車の企業決算が予定されており、サプライズ的なものであれば主力の輸出関連株が買われて相場全体が持ち上がる可能性もあります。但し、円安効果は株価に織り込み済みという見方が多く、関心は増配など株主還元に移っていると言われています。

海外要因で注目するのはアメリカの1月雇用統計であり、予想を上回れば早期利上げ観測が台頭し、ドル高・円安へ振れる可能性があります。一方で、ギリシャの反緊縮政権とトロイカといわれる欧州中央銀行・国際通貨基金・欧州連合との2月末のギリシャ金融支援プログラムの期限に向けての緩和や債務減免交渉が行われる予定であり、決裂すればギリシャのデフォルト懸念が高まり、欧州債務問題が再燃してリスク回避の円買いとなる可能性もあります。又、原油価格が乱高下しており、不透明な動きとなってきています。

本日2日(月)は、先週末のアメリカ株安を受けて売り先行で始まり、17,500円の節目を割り込みと下げ渋って下げ幅を縮小しましたが、後場になると再び下げ幅を広げて▼116円の17,558円で引けました。

 

 

(指標)日経平均

先週の予測では、チャートをみる限り13週線や25日線を上回って引けており、柴田罫線でも買転換となっていることで下値は確認できたとし、好決算の期待が高い一方でギリシャ問題からの円高への流れから上値は重く、17,500円を挟んだもみあいになる可能性が高いとしました。

ギリシャ問題は、目先織り込み済みとなっていて大きな円高とはなりませんでしたが、アメリカ株式が大きな下落となりました。しかし、日経平均は寄り付きは大きく下落するものの、年金資金の買いによって下げ幅を縮小もしくはプラスに転じる動きとなりました。結果的に26日(月)は17,285円まで下落し、28日(水)は17,850円まで上昇して、週末30日(金)は17,674円で引けました。

今週は、主要企業の決算発表の本格化で個別物色の動きとなりそうです。全体相場は、先週末のアメリカ株式が10-12月期GDPが予想を下回ったことでアメリカ景気の上昇に懸念が出て大きく下落し、日経先物は▼170円の17,500円となっていました。今週も先週と同じようにアメリカ株式の下落となっても一時的な下げで、年金資金が断続的に買って相場の下支えをする可能性はあります。先週と同じように、目先は17,500円を挟んだ±300円のレンジが基本となると想定しています。18,000円を試すにはもう少し時間がかかりそうです。

週明け2月2日(月)は、先週末のアメリカ株安を受けて売り先行で始まり、世界的な景気の先行きに対する懸念もあって、▼116円の17,558円で引けました。

日経平均

 

(指標)NYダウ

先週の予測では、主要企業の決算、FOMC声明、GDP発表を材料に一進一退の展開を想定しました。

結果的には、高値波乱となりました。週前半はギリシャの総選挙で急進左派連合が勝利したことで売り先行となり、経済指標の悪化や予想を下回る決算、更に原油価格の下落、FOMCの声明を受けて27日(火)に▼291ドル、28日(水)には▼195ドルと2日間で約500ドル近い下落となりました。29日(木)には新規失業保険申請件数の15年ぶりの低水準と原油価格の反発を受けて△225ドルと反発するものの、30日(金)は10-12月期GDPが予想を下回ったことで▼251ドルの17,164ドルで引けました。

今週は、チャートの形からはもう一段安くなるところです。週末の6日(金)の1月雇用統計を控え神経質な展開が続くことになりそうです。

チャートは悪化した形となりました。12月26日の18,103ドルを3尊天井のピークとして売転換となって今年の1月6日の17,262ドル、1月16日の17,243ドルとダブル底の形を作っていましたが、1月22日の17,840ドルを4つ目の山にして週末の30日(金)に17,164ドルで引けたことで、ダブル底を下に切って柴田罫線でろく売という追加の売りの形となりました。こうなると、1月29日の17,138ドルを終値で切ると下値模索となり、引線の終値で17,418ドルを上回って引けない限り調整が続くことになるでしょう。

NYダウ

 

(指標)ドル/円

先週の予測では、基本的には円安基調から方向感のない展開となって117~119円台を想定しました。

結局大きな値動きはなく、基本は117.5~118.5円の狭いレンジでの値動きとなっていましたが、週末30日(金)はアメリカ株安からドルが売られ117.39円で引けました。

今週は、アメリカの雇用統計を控えて方向感のない動きが続き、雇用統計が予想を上回れば早期利上げ観測からドル買い・円売りとなってきます。一方で、今週はギリシャの反緊縮政権と欧州中央銀行・国際通貨基金・欧州連合(トロイカと呼ばれています)、2月末のギリシャ金融支援プログラムの期限に向けて緩和や債務減免の交渉があり、決裂すればギリシャデフォルト懸念が高まり、リスク回避の円高の可能性があります。

ドル/円